ヒロシマナガサキ 作品情報
ひろしまながさき
60年以上経過した今でも、原爆投下は人びとの議論や拒絶、俗説を引き起こしている。驚くことに、今や多くの人びとが、1945年8月6日と9日に何が起きて、あの2日間が世界を根底から変えてしまったという史実について、きちんと理解していない。この作品は、あの時そこに居合わせた人びとの視点を通して、原爆を包括的に、かつ分かりやすく描こうとする。実に市民の85%が犠牲になった(広島では14万人、長崎では7万人)なかで、原爆で生き残った人々は、その後、放射線による障害や病気の苦しみを抱えている(その後の犠牲者数は16万人)。下平作江は当時10歳で被爆し、最後の肉親を失った時に自殺を考えたことを述べる。「二つの勇気があることに気づきました。一つは死ぬ勇気、もう一つは生き続ける勇気です」他にも様々な生存者の証言が続く。居森清子は、爆心地から410メートルしか離れていない地点で被爆。清子は620名の生徒がいた小学校の唯一の生存者である。中沢啓治は、父と弟と姉を失った。そしてその後は、自分の体験をマンガやアニメーション(『はだしのゲン』)で人々に伝える人生を選択した。肥田舜太郎は当時まだ若い軍医だった。原爆投下直後に現地に入り、生存者の治療にあたった。60年後の今でも、被爆者の治療を続けている。永野悦子は、原爆が投下される数週間前に、自分の家族を長崎に来させたことを、未だに後悔している。被爆者の証言とともに、生存者が残した絵、原爆の記録フィルム、写真が映し出される。なかには、今までほとんど使われたことのない史料も含まれている。そのなかの幾つかは、身体的損傷を受けた被害者の記録フィルムと、そのフィルムで紹介された本人たちの60年後の姿だ。スティーヴン・オカザキは、500人以上の被爆者と会い、そのうちの100人以上を取材。そしてこの映画のため、14人の被爆者の証言を選んだ。
「ヒロシマナガサキ」の解説
「Days of Waiting(待ちわびる日々)」で1991年アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門でオスカーを受賞したスティーヴン・オカザキ監督が、<原爆>をテーマに、14人の被爆者の証言と、実際の被爆に関与した4人のアメリカ人の証言によって構成したドキュメンタリー。2013年7月20日より岩波ホールにてリバイバル上映。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2007年7月28日 |
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キャスト |
監督:スティーヴン・オカザキ
出演:田中ヤスヨ 岡チエミ 下平作江 吉田勝二 深堀悟 永野悦子 山口仙二 谷口稜曄 居森清子 笹森恵子 中沢啓治 坪井直 肥田舜太郎 金判連 モリス・ジェプソン ローレンス・ジョンストン ハロルド・アグニュー セオドア・”ダッチ”・バン・カーク |
配給 | シグロ=ザジフィルムズ |
制作国 | アメリカ(2007) |
上映時間 | 86分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「イチセ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2009-05-30
日系アメリカ人が作った原爆ドキュメンタリー映画。観たら解る。日本人なら一度観るべき。