P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-12-11
周防正行監督の脚本・監督作品は入念な調査に基づく。だから加瀬亮,役所広司、瀬戸,小日向等のキャスティングの見事さ丈で無く,警察での取り調べの論理,裁判官の側の論理,或いは其の不条理迄も盛り込んで冤罪事件の生まれうる背景も。「やってない」と言う真実が立証される道程は剰りにも長く困難何だが
それでもぼくはやってない
総合評価4.67点、「それでもボクはやってない」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
周防正行監督の脚本・監督作品は入念な調査に基づく。だから加瀬亮,役所広司、瀬戸,小日向等のキャスティングの見事さ丈で無く,警察での取り調べの論理,裁判官の側の論理,或いは其の不条理迄も盛り込んで冤罪事件の生まれうる背景も。「やってない」と言う真実が立証される道程は剰りにも長く困難何だが
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
日本における裁判制度が抱える問題点を鋭く批判し、法の番人たる裁判官の真実追求から逸脱し形骸化した仕事振りを告発した、メッセージ性の強い社会派映画。まず脚本が見事。演出と主演の加瀬亮が次に見事。主人公が痴漢に間違えられるシーンを省略し、関係ない痴漢事件のエピソードを挟んで痴漢冤罪の関心を高める導入部が素晴らしい。また、後進の司法書士に正義の理想を説く部下を左遷させて、自らが公判の裁判長に成り代わる狡猾な裁判官暴露も興味深い。
裁判の過程と主人公の背景説明のバランスの良さ、オタク傍聴人の程よい絡みなど、物語に引き寄せ飽きさせない技巧の高い脚本構成。理知的な映画の視点が全編に行き届いた、監督周防正行と俳優加瀬亮の真価を知らしめる日本映画の秀作。
ルオーの絵画に裁判官の偽善性を諷刺した作品が在って本編を観ていて特にラストシーンでそんな印象が過るのだった。満員電車のストレス社会の中で加害者と被害者が冤罪事件で逆転して仕舞う事もー。本編はフリーターの加瀬亮のモノローグを通じて、裁く側がややもすると過誤を犯しうる、錯誤に陥る現実の際どい部分に着目した。判決文を座っては受け止められない青年の立場と上告審への希望を残しながら…。「それでもボクはやってない!」と云う心の響きと共に。
とにかく腹立たしい。理不尽な世の中だと痛感しました。真面目で正直な人が なぜ苦しまなければいけないんだろう…。。悔しい。
痴漢や裁判…実はとっても身近だと気付きました。絶対観て下さい!
この作品は考えさせられる映画でした。裁判の事はあまり知らないんですが、陪審員制の必要性がなんとなくわかった気がしました。けど、私は陪審員にはなりたくはない気もしました。とにかく複雑な感情になりました。
正直観る前はあまり期待していませんでした!!でも今の日本の司法の限界を痛感させられる良い作品だと思います☆
私は今まで「痴漢」というと,同じ女性として被害者側しか考えてなかったけど,主人公のように冤罪で苦しんでいる人もたくさんいるんだと知って,すごく複雑な気持ちになりました...
ぜひみなさんも観てみて下さい☆