街のあかり(2006) 作品情報
まちのあかり
ヘルシンキ。警備会社に夜警として勤務するコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は同僚からも上司からも気に入られず、黙々と仕事をするだけの日々を送っている。影のように、彼はヘルシンキの場末で暮らしている。朝焼けが広がる空の下、コイスティネンは夜勤明けにソーセージ屋に向かう。そこではいつもアイラ(マリア・ヘイスカネン)が彼を迎える。ソーセージを丹念にグリルするアイラ。彼は誰にともなく告白する。「警備会社を起業して、奴らをツブしてやる」と。アイラはうなずく。そんなコイスティネンをパブで偶然見かけ、その性格を見抜き、付け込もうとする危険な男(イルッカ・コイヴラ)がいることを、コイスティネンはまだその頃気づいていなかった。雲がどんよりと立ち込めるある日のカフェ。休憩時間のコイスティネンに美しい女が近づいてきた。いきなり彼の前に座り、「あなたが寂しそうだった」と言う。コイスティネンは生まれて初めて恋に落ちた。ふたりはつつましやかなデートをする。彼の胸に突然ひかりが舞い込んできた。その希望を原動力に、企業のためなけなしの貯金をはたいて職業訓練校で経営を学び、銀行へ融資を受けるために相談に行く。しかし訓練校の卒業証書は何の役にも立たず、銀行員に侮蔑のまなざしを向けられるだけ。それでも、コイスティネンの胸は、ミルヤ(マリア・ヤンヴェンヘルミ)への愛にあふれていた。月明かりの美しいある夜。突然仕事場にミルヤが訪ねてきた。「会いたかったわ」という言葉とともに。「一緒にウィンドウ・ショッピングを」という彼女の誘惑に抗いきれず、彼は夜のショッピングセンターに彼女をいざなう。宝石店の警備に入るとき、コイスティネンが押した暗証番号をミルヤは見逃さなかった。それはコイスティネンの『犬のように従順で、ロマンティックで馬鹿』な性格を利用した悪事の始まりだった。しかしコイスティネンはそれを知らず……。
「街のあかり(2006)」の解説
「浮き雲」では人間賛歌を、「過去のない男」(2002年カンヌ国際映画祭グランプリ、主演女優賞受賞)では再生のドラマを語ってきたフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ。敗者三部作の最終章で描くのは、人間性の回復。チャップリンの「街の灯」のごとく、人間の誠実さを丁寧に追いかける。主演は「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」「過去のない男」のヤンネ・フーティアイネン。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2007年7月7日 |
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キャスト |
監督:アキ・カウリスマキ
出演:ヤンネ・ヒューティライネン マリア・ヤンヴェンヘルミ イルッカ・コイヴラ マリア・ヘイスカネン ヨーナス・タポラ ペルッティ・スヴェホルム メルローズ カティ・オウティネン パユ |
配給 | ユーロスペース |
制作国 | フィンランド(2006) |
上映時間 | 78分 |
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