P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-01-23
この「フランドル」は、カンヌ映画祭グランプリ(現在のパルムドール賞)受賞作で、暗くて貧乏くさくて悲惨な話なのに、観終わると荘厳な気持ちなってしまうから不思議な映画だ。
地方に生きる若い男女の愛を、戦場での悲劇と対比させながら描いている。
ブリュノ・デュモン監督お得意の暴力と性がテーマで、人間の罪と業を赦し、愛を与えるヒロインは、マグダラのマリアと重なって見える。
かなり衝撃的な場面もあるので覚悟して観る必要がある。
音楽を一切排除するなど、決して万人向けの作品ではないが、深みがある映画だ。