パリ、ジュテーム 作品情報
ぱりじゅてーむ
<モンマントル>坂道が続くモンマルトルで、駐車スペースを探すのは至難の業。だからスペースを確保できた彼はラッキーなのに浮かない顔をしている。恋人のいない孤独な自分にうんざりしているからだ。そんな男が乗った車の横で、黒いコートの女が突然現れる。 <セーヌ河岸>2人の悪友と一緒にセーヌ河岸でナンパをしていたフランソワ(シリル・デクール)は、目の前で転んだアラブ系の若い女性をとっさに助け起こす。ほどけたベールを巻きなおし、彼女が美しい髪を包み隠してしまう。なぜ髪を隠すのかと問うと、その理由を話し彼女は立ち去る。 <マレ地区>街の印刷所に、英国の女性客が通訳のガスパール(ギャスパー・ウリエル)と共にやって来る。店主と女性客が奥に行っている間、店先に残されたガスパールは、下働きの青年エリに一瞬で興味をひかれる……。 <チュイルリー>地下鉄チュイルリー駅のホームで、アメリカ人観光客の男(スティーヴ・ブシェミ)がガイドブックを読んでいる。「パリは恋人たちの街」という紹介どおり、向かいのベンチではカップルが熱烈なキスを交わしている。思わずそれを凝視していた観光客の視線に気づき、カップルの男が怒声をあげ出し……。 <16区から遠く離れて>パリ郊外の団地に住む移民のアナ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は、毎日夜明けとともに起き、まだ辺りが薄暗い時間に、生まれて間もない子供を託児所に預けて、電車とバスと地下鉄を乗り継いで16区の仕事場に出かける。そこで彼女を待っているのは、豪華なマンションで暮らす一家のベビーシッターの仕事だった。 <ショワジー門>シャンプーのセールスマンをするミスター・アイニー(バーベット・シュローダー)は、チャイナタウンにあるマダム・リーの美容室へやって来た。いきなりカンフーの手荒い歓迎を受けるが、マダムにぴったりのヘアスタイルを提案するが……。<バスティーユ>末期の白血病となった妻を看病する夫。やがて彼は妻への恋心に再び目覚め…。 <ヴィクトワール広場>カウボーイの存在を無邪気に信じていた息子のジュスタンを1週間前に亡くしたスザンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、夫(イポリット・ジラルド)の慰めも娘の励ましの言葉も耳に入らず、泣き暮らして抜け殻のような日々を送っている。ある晩、ジュスタンの声が聞こえて、思わず飛び出した広場で、彼女は馬に乗ったカウボーイ(ウィレム・デフォー)と出会う。 <エッフェル塔>エッフェル塔のすぐそばに、ひとりの男が住んでいた。彼にとって、パントマイムを演じることは人生のすべて。しかし、気味悪がって誰も彼を相手にしない。そんな彼が不審者と間違われて放り込まれた留置所で、女性のマイム・アーティストと運命的な出会いを果たす。 <モンソー公園>モンソー公園の近くの通りで、クレア(リュディヴィーヌ・サニエ)は待ち合わせに遅れてきた初老の男ヴィンセント(ニック・ノルティ)とやっと落ち合う。気持ちが不安定なクレアは、どうやらギャスパールという男から逃げ出すために、ヴィンセントの手を借りようとしているようなのだが…? <デ・ザンファン・ルージュ地区>映画の撮影でパリにやって来たアメリカ人女優のリズ(マギー・ギレンホール)は、ドラッグの代金を支払うために角のATMまで行くが、高額紙幣しか引き出せない。お金をくずそうと仕方なく寄ったカフェで、リズが女優だと知ったケンは撮影が見たいと言い出す。 <お祭り広場>若い医学生のソフィ(アイサ・マイガ)が、何者かに腹を刺され瀕死の重傷を負ったハッサン(セイドゥ・ボロ)に応急処置をしている。ハッサンはふと、献身的に介抱してくれる彼女を見て、ソフィに一目惚れして、お茶に誘おうとしていたことを思い出すが……。 <ピガール>赤いネオンがまたたく歓楽街ピガール。のぞき部屋にやって来たボブ(ボブ・ホスキンス)の個室に、一杯ひっかけるために寄ったバーで短い会話を交わした女性(ファニー・アルダン)が現れる。 <マドレーヌ界隈>深夜、バックパックを担いだ青年(イライジャ・ウッド)は、今まさに人を襲ったばかりの美貌のヴァンパイア(オルガ・キュリレンコ)と出くわす。しかし、自分を襲わずに立ち去ろうとする彼女をひきとめるために、彼はわざと手に傷をつけて血を流す。 <ペール・ラシェーズ墓地>フランシス(エミリー・モーティマー)とウィリアム(ルーファス・シーウェル)は、結婚を一ヵ月後に控えたイギリス人のカップル。フランシスの希望で有名人が数多く眠るこの墓地へやって来たものの、彼女がオスカー・ワイルドの墓にキスするのを彼が非難したことで大喧嘩が始まる。 <フォブール・サン・ドニ>盲目の学生トマ(メルキオール・ベスロン)は、恋人から突然、別れを告げる電話を受ける。恋人のフランシーヌ(ナタリー・ポートマン)との出会いは、5月15日。女優志望の彼女が、ヒモに監禁されている娼婦役のセリフの練習していたのを、本当に危険が迫っていると勘違いしたトマが、通りから声をかけたことがきっかけだった。 <カルチェラタン>初老のアメリカ人ベン(ベン・ギャザラ)は、別居中の妻ジーナ(ジーナ・ローランズ)と正式に離婚するために、パリへやってきた。ジーナのなじみのレストランで、久々に顔を合わせるも、お互いに気持ちが残っている様子。しかし、ジーナは若いサイクリストと交際、ベンには妊娠3ヶ月の若い愛人がいた。 <14区>デンヴァーで郵便配達するキャロル(マーゴ・マーティンデイル)の、パリでの“特別な一日”の物語。ひとりで憧れのパリへやって来た彼女は、ひとりで街を眺め、ひとりで食事をする。ある日、美しい公園を見つけ、食事をしていた時、“あること”が起きる。
「パリ、ジュテーム」の解説
全編パリで撮影された、パリの街が主役のラブ・ストーリー。ヌーヴェルヴァーグ全盛の65年、エリック・ロメールやジャン=リュック・ゴダールなど6人の監督がそれぞれの視点でパリを描いた「パリところどころ」の現代版ともいえる、新たなパリ映画。監督にはコーエン兄弟、ガス・ヴァン・サント、アルフォンソ・キュアロン、ウォルター・サレス、イサベル・コイシェ、諏訪敦彦、オリヴィエ・アサヤス、シルヴァン・ショメ、ジェラール・ドパルデューなど、出演者にはナタリー・ポートマン、イライジャ・ウッド、スティーヴ・ブシェミ、ジュリエット・ビノシュ、リュディヴィーヌ・サニエ、ジーナ・ローランズなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-07-18
監督陣の豊かさと豪華castingで圧倒