クリムト 作品情報
くりむと
1918年。芸術の都ウィーンの栄光は終焉を迎えようとしていた。絵画に新たな潮流を生み出した画家グスタフ・クリムト(ジョン・マルコヴィッチ)もまた、命の灯火を消そうとしていた。脳卒中で倒れ病院に運ばれた彼を見舞うのは、愛弟子のエゴン・シーレ(ニコライ・キンスキー)ただ一人。発作に苦しみ、朦朧とした意識の中、クリムトの目には、栄光と挫折の人生が蘇る……。1900年。保守的なウィーンでは、彼の描く裸の女性がスキャンダルとなった。対照的にパリでは絶賛され、パリ万博で金賞を受賞する。その会場でスクリーンに映る美しい女性レア(サフラン・バロウズ)に心奪われたクリムトは、嫉妬する恋人ミディ(ヴェロニカ・フェレ)を放っておき文化省の書記官(スティーヴン・ディレイン)の計らいでレアと密会を果たし、彼女の肖像画の依頼を受ける。ウィーンに戻ったクリムトは、大臣から助成金を打ち切られたことを聞き、ますます反抗的になる。そんなとき、クリムトのモデルをしていたミッツィ(アグライア・シスコヴィチ)が彼の子どもを産んだと聞き、会いに行く。彼にはモデルたちとの間に、すでにたくさんの子どもがいたのだ。ミディにプラトニックな愛を求め、モデルたちに肉体的な愛を求めるクリムト。しかし彼の魂が求めるのは、宿命の女レアだけだ。書記官にレアと会うことを促され、彼女の居場所を教えられる。しかし、周囲の人には書記官の姿は見えず、クリムトの独り言にしか見えない。謎の書記官はクリムトのもう一人の自分、心の声だったのだ。心の声に導かれるままに、彼はレアの庇護者である公爵(ポール・ヒルトン)に会いに行く。しかし公爵はレアは死んだと告げる。虚構と現実が入り交じり、パラノイアは深まる。クリムトは混沌とした意識で、自分の世界を彷徨うのだった。
「クリムト」の解説
20世紀初頭に活躍したウィーンの画家グスタフ・クリムトの人生の後半に起きた出来事や彼を取り巻く人々を、時間経過やストーリーのつながりを無視して描く伝記ドラマ。クリムトに扮するのは「リバティーン」のジョン・マルコヴィッチ。監督・脚本は「見出された時-『失われた時を求めて』より-」のラウル・ルイス。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2006年10月28日 |
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キャスト |
監督:ラウール・ルイス
出演:ジョン・マルコヴィッチ ヴェロニカ・ファレス サフロン・バロウズ ニコライ・キンスキー ステファン・ディラーヌ ポール・ヒルトン Sandra Ceccarelli カール・フィッシャー イリーナ・ワンカ ヨアヒム・ビスメイアー アグライア・シスコヴィッチ デニス・ペトコヴィッチ エルンスト・ストッツナー ライナー・フリードヒセン ギュンター・ジリアン |
配給 | メディア・スーツ |
制作国 | オーストリア フランス ドイツ イギリス(2006) |
上映時間 | 97分 |
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