永遠のハバナ 作品情報
えいえんのはばな
ハバナの夜が明ける。モロ要塞の灯台の明かりが消え、街と人が動き出す。コーヒーのわく音、自転車のきしみ、鳥のさえずりから静かに1日が始まる。政治家でもミュージシャンでもなく、ドル紙幣とも縁のない普通の人々。ダウン症の10歳の少年フランシスキートは学校に向かう準備をし、祖母ノルマ(70歳)と一緒に朝食をとる。イヴァン(30歳)は、仕事が始まる前に、靴修理のフリオ(67歳)に女物のハイヒールの修理を頼み、エリベルト(40歳)は、自転車で鉄道修理の仕事に向かう。アマンダ(79歳)はピーナッツを売るために、街へ出る。フランシスキートの父、フランシスコ(55歳)は、エルネスト(20歳)の家の修復工事を手伝いに行く。崩れかけた家々、米と豆の食事、ガタガタの道路、そして慢性的な水不足。全編を通して、ハバナに住む人々にとっての現実。これまで映画やニュース映像では見られなかった現実が、映し出される。観光客やドル紙幣、昼間からホテルやカフェで演奏される明るい音楽などの入る余地はない。苦しい生活の中でも、夢を持ちつづけたいと願う人々は、新市街の公園のなかにあるジョン・レノンのブロンズ像を、交代で見守る。2000年12月8日、20周忌に除幕式が行われ、21日には早くも眼鏡が盗まれてしまったレノン像。「人は僕を夢見る人というかもしれない。けれどそれは僕だけじゃない」。ブロンズ像の下に刻まれているイマジンのフレーズとジョン・レノンは、ハバナの人々にとって守りぬきたい砦である。夜になると、人々は夢を追うために、外へ出て行く、野球場やダンスホール、教会やキャバレーに。昼間とはちがう顔を持つ登場人物たち。映画の最後の最後に、ほんの数行で紹介される登場人物たち。淡々と日常を生きるひとりひとりの中にこそドラマがあること、そしてそれは誰にとっても普遍的な真実であることを、映画は教えてくれる。
「永遠のハバナ」の解説
ハバナではほとんど宣伝されなかったにも関わらず、口コミで人気に火がついて、大ヒットを記録した作品。監督フェルナンド・ペレスは、ドキュメンタリーでありながらフィクションと同じように撮影し、セリフやインタビュー、ナレーションを一切排除した。最後に登場人物の簡単なプロフィールと夢が少し出てくるだけで、それ以外の説明は全くない。無名の12人の登場人物を通して、ハバナで生きる人々の生の生活が見えてくる。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2005年3月12日 |
---|---|
キャスト |
監督:Fernando Perez
出演:フランシスキート フランシスコ ノルマ・ペレス ワルド イヴァン |
配給 | アクション |
制作国 | キューバ スペイン(2003) |
上映時間 | 84分 |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「永遠のハバナ」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。