スイミング・プール 作品情報
すいみんぐぷーる
南フランス、プロヴァンス地方の高級リゾート地。ある夏の日、イギリスから人気女流ミステリー作家のサラ(シャーロット・ランプリング)が訪れ、出版社の社長ジョン(チャールズ・ダンス)の別荘に滞在し、新作の執筆に取り掛かる。ところがそこへ突然、社長の娘と名乗るジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が現われた。自由奔放なジュリーは、毎夜ごと違う男を連れ込み、サラを苛立たせる。だがその嫌悪感は次第に好奇心へと変化していき、サラはジュリーの行動を覗き見するように。そんなある夜、ジュリーはまた別の男を連れて帰ってきた。彼は、サラが毎日のように通うカフェのウェイターで、彼女がほのかな好意を寄せているフランク(ジャン=マリー・ラムール)だった。ジュリーはサラを挑発するようにフランクと踊り、やがてサラも体を揺らし始める。しかし翌朝、プールサイドのタイルの上に血痕が発見された。ジュリーが、逃げようとしたフランクを石で撲殺したのだった。それを知ったサラは死体遺棄を手伝い、ジュリーは別荘から去っていく。そのあと、サラは社長ジョンに『スイミング・プール』と題された新作の原稿を見せる。実は今までの一件は、サラが創作した小説の内容だった。ジョンは気に入らないと言い、サラはそれは分かっていたと返して、別の出版社で製本した本を彼に渡す。そして社を去ろうとした時、ジュリーとは別人の本物の社長の娘が現れるのだった。
「スイミング・プール」の解説
スイミング・プールで起こった殺人事件をめぐって、謎が重層的に絡み合うシュールなミステリー。監督・脚本は「8人の女たち」のフランソワ・オゾン。共同脚本は「まぼろし」でオゾンと組んだエマニュエル・ベルンエイム。撮影は「ホームドラマ」など、初期のオゾン作品を担当していたヨリック・ルソー。音楽は「まぼろし」のフィリップ・ロンビ。衣裳は「8人の女たち」などオゾン作品常連のパスカリーヌ・シャヴァンヌ。出演は「まぼろし」のシャーロット・ランプリング、「8人の女たち」のリュディヴィーヌ・サニエ、「ゴスフォード・パーク」のチャールズ・ダンスほか。2003年ヨーロッパ映画賞最優秀主演女優賞受賞。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2004年5月15日 |
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キャスト |
監督:フランソワ・オゾン
出演:シャーロット・ランプリング リュディヴィーヌ・サニエ チャールズ・ダンス マルク・ファヨール ジャン・マリー・ラムール ミレーユ・モス |
配給 | ギャガ |
制作国 | フランス イギリス(2003) |
上映時間 | 102分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4.75点★★★★☆、4件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-23
ミステリーと言っても「別荘で連続殺人事件が起こる!」といったような犯人が、探偵にトリックを仕掛けるわけではなく、作者が観客に罠を仕掛けるタイプの映画。
ラストの展開には「キョトン」とさせられてしまうが、ある程度予測出来たとは言え、心地よい。
どこまでが現実で、どこからがサラの創作の世界なのか、1回見ただけでは判然としないが、何回か見てみるのもいいかもしれない。
フランスの田舎の風景が美しく、見るものを飽きさせない。
いやそれより美しいのは、シャーロット・ランプリングだ。
もういいお年の熟女だが、凛とした美しさが漂っている。
またそのプロポーションの素晴らしいこと。
この映画の成功は、まさにシャーロット・ランプリングがあってこそ。
シャーロット・ランプリングの偉大さがわかる、そんな映画。
監督もシャーロット・ランプリングの美しさを撮ることも目的のひとつだったに違いない。