P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2019-10-05
1940年ドイツの攻撃によりパリから脱出した子連れの女教師が出会った感化院脱走少年との束の間の触れ合いを描いた映画。ドイツ占領下の過酷な時代背景は、名画「禁じられた遊び」と同じだが、内容は「ルシアンの青春」に類似した男女の恋愛悲劇になっている。年上の未亡人を演じるエマニュエル・べアールの揺れ動く女性心理が、丁寧で細かい表情変化で説得力を持つ。14歳の長男とカエル遊びに夢中の長女の設定も良く、少年との関係が戦時下の限られた状況であることを印象付ける。対して少年役のガスパール・ウリエルに、もう少し幼さ故の危うさがあれば良かったと思います。人間ドラマと云うより、べアール主演の女性映画としての価値は高い。