P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2019-09-28
イギリス白人女性とパキスタン男性の宗教・文化の障害を乗り越えようとする恋愛映画。ケン・ローチは、単なる恋の駆け引きではなく、移民国家における恋人たちの家族の軋轢をリアリズムで描く。そして、通例のメロドラマに登場するヒロインにあるべき理想の女性像が微塵もない。なぜ男が家族の絆を犠牲にしてまでヒロインに惚れるのか、他者がまったく理解出来ないくらい魅力がないのだ。身勝手で我儘なヒロインの虜になったパキスタン男の苦悩をケン・ローチは冷静に客観的に描く。
本来ドキュメンタリーで扱うべきテーマを敢えて劇映画にした脚本家ラヴァティとローチの製作姿勢には感服するが、感動はない。