四月(1962) 作品情報

しがつ

街を歩く彼女(タニア・チャントゥリア)のあとを、追いかける彼(ギア・チラカーゼ)。時折視線を交わしながら、お互いをじらすように速度をはやめたり、遠回りしたり、かくれんぼしたり。二人は目と目を合わせるだけで心が通じあう仲のよいカップルだ。彼らは水道、電気、ガスがあるだけの殺風景なアパートの一室で新生活を始めた。ある日、管理人の男がやってきて、何も持たない二人のために椅子をプレゼントし、部屋に鍵をかけることを提案する。それをきっかけに、二人はいろんなものを部屋に持ちこみはじめる。テーブルを買い、それからベッド、テレビに鏡台…。部屋にものが増え、身なりがよくなっていくにつれドアにかける南京錠も増えていくが、それと反比例して、彼らが寄り添うためのスペースはどんどん失われていく。以前のように寄り添ったり、見つめあうことをしなくなった二人の心は徐々にすれ違う。ある日二人は、かつてのように街中を追いかけっこし、手をつなぎ見つめあって仲直りをする。アパートに帰ると、二人は部屋中を埋め尽くした家具や電化製品を次々と窓から放り投げるのだった。

「四月(1962)」の解説

「素敵な歌と舟はゆく」「月曜日に乾杯!」が日本でも評判を呼んだグルジア出身の名匠、オタール・イオセリアーニ監督の幻の中編デビュー作。日本では2004年6月の特集上映<イオセリアーニに乾杯!>で初公開となった。物欲の前に愛を見失いそうになる一組の男女の姿を、音と映像だけで語ってゆく。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2004年6月19日
キャスト 監督オタール・イオセリアーニ
出演ギア・チラカーゼ タニア・チャントゥリア
配給 ビターズ・エンド
制作国 グルジア(1962)
上映時間 48分

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最終更新日:2024-10-28 14:19:29

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