ミミック 感想・レビュー 2件

みみっく

総合評価5点、「ミミック」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

古い地下鉄の車輛が動き出すところなど、ジャック・フィニィの傑作小説「レベル3」を連想してしまうほどだ。
かつて、アメリカでクローン人間化計画がとりざたされていた事を思うと、「ミミック」の怖さには戦慄を覚えてしまいます。

遺伝子操作に批判的な学者(F・マーリー・エイブラハム)の「街は研究室より広いんだ」という言葉。
つまり、現実は学者の机上の計算通りには運ばないものなんだという言葉が胸に突き刺さります。

迷路のような暗闇の地下世界と、巨大なゴキブリを思わせるクリーチャーの造形も不気味で、陰影に富んだ映像を駆使して恐怖の演出を見せた、ギレルモ・デル・トロ監督。
彼はやはり、当時からタダ者ではなかったことがわかります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

この映画「ミミック」は、鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が、ニューヨークの地下に蠢く、進化した昆虫の猛威を描いた”バイオ・スリラー”の傑作だ。

遺伝子操作によって作り出された生物が、昆虫学者の予測を裏切って独自の進化を遂げてしまい、遂に人間を襲撃するようになるという話だ。
キワモノ映画かと最初は思って観ていたが、意外と予想以上に面白く、そして怖い。

昆虫学者のスーザン(ミラ・ソルヴィーノ)は、流行する疫病の防止のために、新種の昆虫”ユダの血統”を開発する。
そして、3年後、街の地下で絶滅したはずの”ユダ”に似た昆虫の死骸が見つかった。

真相を探り始めたスーザンたちは地下へ潜入。
そんな彼らに、変態を遂げて巨大化したユダが襲いかかり——-。

「誘惑のアフロディーテ」で私を虜にした、ミラ・ソルヴィーノ扮する昆虫学者が、空飛ぶ”怪物”に連れ去られる場面には、懐かしいB級映画の味があるし、ニューヨークの地下鉄の更に下の世界の描写には、都市伝説的な”陰性のロマンティシズム”が漂っている。

最終更新日:2024-05-31 16:00:01

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