シャイン 作品情報
しゃいん
激しい雨の晩、ワイン・バーで働くシルヴィア(ソニア・トッド)はびしょ濡れで店のドアを叩いたデイヴィッド・ヘルフゴッド(ジェフリー・ラッシュ)を家まで送ってやった。デイヴィッドは幼少の頃(アレックス・ラファロヴィッツ)から音楽狂の父ピーター(アーミン・ミューラー=スタール)にピアノを仕込まれ、天才少年として評判になった。だがアメリカ、ついで英国の王立音楽院に留学の話が出ると、最初は息子の才能に鼻高々だった父は、突然彼が家族から離れることを暴力的に拒否する。デイヴィッド(ノア・テイラー)は著名な作家で、年齢を越えて友情を結んだキャサリン・プリチャード(グーギー・ウィザーズ)の励ましで、ついに家を出る。ロンドンで彼はセシル・パーカー(ジョン・ギールグッド)に師事、パーカーは彼をわが子のように愛し、鍛える。彼はコンクールでの演奏曲に、幼年時代から父にいつか弾きこなすよう言われていたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を選ぶ。猛特訓でこの難曲を完璧に演奏したデイヴィッド、だがその直後、あまりのストレスに彼は発狂した。それから10数年を精神病院で過ごしたデイヴィッドはかつて自分のファンだったという女性に引き取られるが、その後引取り先を転々とした。そしてある晩、あのバーのドアを叩いたのだ。シルヴィアはやがてデイヴィッドがピアノを弾くことを知り、彼はやがて店の専属ピアニストとして大人気になる。新聞にも記事が出て、父も訪ねてくるが、彼は父を許せなかった。シルヴィアが星占い師のギリアン(リン・レッドグレイヴ)を紹介し、二人はやがて愛し合い、結婚する。デイヴィッドはついにコンサート・ピアニストとして復帰する。だがその席に、父の姿はなかった。彼は妻とともに父の墓に参る。彼の前には新しい人生が広がっていた。
「シャイン」の解説
ピアノの天才少年と呼ばれ、一度は精神を病みながら、ハンディキャップを越えて復帰した実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドの半生を基に描く感動の音楽ドラマ。監督はテレビのドキュメンタリー出身のスコット・ヒックス。製作はジェーン・スコット。ヘルフゴッド夫妻に取材したヒックスの原案を基に、ジャン・サルディが脚本を執筆。音楽はデイヴィッド・ヒルシュフェルダーで、ピアノ演奏はヘルフゴット自身によるもの。出演は成人したデイヴィッド・ヘルフゴット役を23年間舞台での俳優・演出のキャリアを持つジェフリー・ラッシュ、10代を「ペテルブルグ幻想」のノア・テイラー、幼年期をアレックス・ラファロヴィッツが演じた。共演は父親役に「ホーリー・ウェディング」のアーミン・ミューラー=スタール、「ある貴婦人の肖像」の名優ジョン・ギールグッド、「ジョージー・ガール」のリン・レッドグレイヴほか。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第3位。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1997年3月22日 |
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キャスト |
監督:スコット・ヒックス
出演:ジェフリー・ラッシュ ノア・テイラー アレックス・ラファロヴィッツ アーミン・ミューラー=スタール リン・レッドグレーヴ ジョン・ギールグッド グーギー・ウイザース ソニア・トッド |
配給 | KUZUIエンタープライズ |
制作国 | オーストラリア(1995) |
上映時間 | 105分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、3件の投稿があります。
P.N.「あなたの中のシャイン煌めきを!!」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-29
世知辛い時代でも、わが子の誕生に、希望を抱き、強く人生を生き抜いて行く人々がいます。
そんな、黒歴史の上に、希望を抱き生き抜いて来た家族の物語。
公開当時は、ポスターや主人公が全面に出て、余り食指が向かなかったが、最近やっと鑑賞する気に。
人生、必ず、根底には、理由や原因がある。父親の思いを理解すると、その当時としては、仕方がない。
なかなか、誰かの思いを理解しようとは考えない。
却って、反発してしまう。
けれど、理解し受け入れることは、自分もその様に生きることに賛同した訳ではない。
誰かを、雑にあしらわず、理解し受け入れれば、ある程度人間は、それ以上人生に深入りしなくなるが、反発すればするほど、悩ます存在となる。
黒歴史の根底にある歪みが、そうさせた、ストーリー。
これは、父親の、命の希望、揺めき、ときめき、煌めき(シャイン)の物語。
悶苦を生き抜いて来た父親の不器用な生き方。その宝物の息子は、多くの人々のときめき、揺めき、煌めきになって生きている。
選択肢の少ない激動の時代を生きた父親の愛に触れる作品。