エビータ 作品情報
えびーた
1952年7月26日、貧しい労働者に生きる希望を与え“聖母エヴィータ“と慕われた大統領夫人エヴァ・ペロン(マドンナ)が死去した。語り部のチェ(アントニオ・バンデラス)は、彼女の人生を回想し始める…。田舎町のロス・トロドスで生まれたエヴァは、貧しいだけでなく、私生児だったために不遇な少女時代を送った。何とかその生活から這い上がるために女優を志した彼女は、タンゴ歌手アグスティン・マガルディ(ジミー・ネイル)の愛人となり、首都ブエノスアイレスに向かう。まだ15歳の時だった。30年代の夜のブエノスアイレスは南米のパリと称される芸術と文化の中心地で、その大都会で彼女は成功の日を夢みて辛い下積み生活に耐えるが、世間の風は冷たかった。そんなある時、彼女のパトロンだった石鹸会社社長が提供しているラジオ番組に出演が決まり、これが彼女に一大転機をもたらした。番組は好評を博し、一躍全国に名が知れ渡った彼女は、エヴィータの愛称で親しまれた。ブエノスアイレスの上流社会入りしたエヴァは、連日連夜、慈善イベントやパーティに顔を出し、その妖艶さにますます磨きをかけていく。陸軍大佐ホワン・ペロン(ジョナサン・プライス)は当時の軍事政権を動かす有力将校であり、エヴァ同様、人生で功逐げ名を成したいという強い野心を持っていた。同じ理想を持つ2人はたちまち恋に落ち、世紀のラブ・ロマンスが花開いた。だが、二人三脚で支持層を広げていく2人は、既成の権力組織や軍事関係者の反感を買い、1945年にペロンは副大統領を辞任させられ、監禁されてしまう。エヴァはラジオの影響力を利用して、愛する人を守るため、「デス・カミサドス(労働者)よ、ペロンを救い出せ!」とマイクに向かって呼びかけた。やがて危機が回避されると2人は結婚し、労働者層に絶大な支持を得たペロンは1946年6月、大統領に就任する。ついにファースト・レディとなったエヴァは夫の右腕として次々に自分の夢を実現させ、新生アルゼンチン政府の象徴として国民の憧憬を一身に集めた。有名な“レインボー・ツアー(虹の使者)“でヨーロッパ各国を歴訪。婦人参政権を獲得し、貧しい人々を助けるエヴァ・ペロン財団を設立するなど、精力的に活動を続ける。しかし、富と名声をを得て絶頂を極めた若く美しい彼女は病魔に冒されていた。末期の子宮ガンと診断された彼女は、ペロンの再選を応援するために、最後のラジオ放送で支持を呼びかける。そして、彼女は33歳の短い人生に幕を降ろし、アルゼンチン中が悲しみに暮れた。
「エビータ」の解説
祖国への忠誠と限りない愛の力でアルゼンチンの歴史を変えた伝説の女性、エビータことエバ・ペロンの短くも激しい生涯を描いたミュージカル映画。78年にロンドンで初演されて以来、ロンドンで2900回、ブロードウェイで1567回という記録的なロングランを重ねたアンドリュー・ロイド・ウェバー作曲、ティム・ライス作詞による同名舞台の映画化。完成までに7人の監督と7人の女優が候補に上がるなど、紆余曲折があったことでも話題になった。台詞を最小限に留め、全編の9割が歌と演奏で構成されており、作詞・作曲のコンビによって徹底的な改訂の末に5週間をかけて録音された音楽が、圧倒的な迫力。監督にはアラン・パーカーが起用され、「フェーム」「ザ・コミットメンツ」などの音楽映画、「ミッドナイト・エクスプレス」などの社会派作品と、二つのジャンルを得意とする彼の演出手腕が遺憾なく発揮されている。脚本は、パーカーと彼の前に監督に予定されていたオリヴァー・ストーンの共同(実際はパーカーの単独だという)。製作は、ロンドンで舞台の初演を手掛けたミュージカル界の大物ロバート・スティグウッドとパーカー、「ニクソン」「スカーレット・レター」のアンドリュー・G・ヴァーニャ。撮影は「魅せられて」のダリウス・コンディ、実際にエバが着用していた服を再現した衣裳は「キャリントン」「ミッション:インポッシブル」のペニー・ローズ。主演は、88年にオリヴァー・ストーンが監督候補だった時には彼と物別れに終わったものの、降番したミシェル・ファイファーに代わってヒロインの座を射止めたマドンナ。共演は「ストレンジャー」のアントニオ・バンデラス、ブロードウェイの舞台で活躍する「キャリントン」のジョナサン・プライス、イギリスの俳優で歌手、作家でもあるジミー・ネイルら。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1997年1月25日 |
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キャスト |
監督:アラン・パーカー
出演:マドンナ アントニオ・バンデラス ジョナサン・プライス ジミー・ネイル ヴィクトリア・サス ジュリアン・リットマン オルガ・メルディズ ローラ・パラス ジュリア・ウォルスリー |
配給 | UIP |
制作国 | アメリカ(1996) |
上映時間 | 135分 |
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