麥秋(1951) 感想・レビュー 4件

ばくしゅう

総合評価5点、「麥秋(1951)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-12-20

原節子主演の映画〈我が青春に悔いなし〉〈青い山脈〉そして小津安二郎監督の本編と連続して観ると、何れの作品も原が苦境を乗り越えて行く物語だと気付かされるね。原節子は小津監督をして演技派の最高の女優と言わしめただけ有って、其の感情表現と心の機微をサラリと自然体で演じているんだよ。何度見ても飽きさせ無いモダンなスタイル!子役らに注目して見ても、ドラマの核を為す戦争の影・未だ戦場から帰還していない消息不明の息子への親心を思って見ても、見合いや結婚と言う社会制度から見ても実に面白い内容何だ。シリアス・コメディのビリー・ワイルダー監督作品とも共通しているしね。

P.N.「PineWood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-04-22

冒頭に出て来る鳥籠、餌を用意する手、一家の朝の光景が卓袱台を囲んで始まる。寝惚け眼を擦りながら現れる甥っ子に「早く顔を洗ってらっしゃい」と促す原節子、タオルを水で濡らして遣り過ごして再登場…何時までも食べている姿を見て「もうグズなんだから!」と呆れ顔をする原。柱時計を見上げて「あと七分ね」と。リズミカルな一瞬一瞬が時計仕掛けの様に刻まれて行く…。本編で両親からも見合いを薦められた原だが、その歯車は意外な方向に。家族一同の記念撮影の最後の場面も秀逸♪

P.N.「PineWood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-04-21

山田洋次監督が<東京家族>で小津安二郎監督作品へのオマージュを捧げた。シーンとしては不在の部屋等を間合いを開けてやや長目に撮っている…。小津監督の本編も空に飛んだ風船を長々と老夫婦が見つめ「今頃何処かで風船を手放した子どもが泣いてるね」と会話するシーンがある。時代劇作品<人情紙風船>の盟友山中貞雄監督を亡くした小津監督の追悼とも読み取れる…。随所に不在感のが漂い眼に見えないものを追い求め続ける気持ちがホーム・メロドラマの名作に結実した!

P.N.「PineWood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-04-20

本編でヘップバーンの話題が出て来るがこの当時はヘップバーンと言えばオードリでは無くてキャサリン・ヘップバーンで在ったそうだ。小津安二郎監督のモダンな東京スタイルの都会生活と祖父母の隠居生活のまほろばの大和(奈良)の麦畑の麦秋シーンが対比される。既婚組と独身組の対比も結婚を巡る小津ドラマの要、時にコミカルに時に哀しく、その絶妙な間合いを芯から捉えた小津安二郎監督の代表作。邦画史上の傑作、世界映画史上の金字塔♪原節子の最高の感動作だろう。

最終更新日:2024-10-16 02:00:06

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