追跡者(1948) 作品情報
ついせきしゃ
銀行の金庫破りの容疑者辰三はガン強に口を割らず釈放された。同じ日釈放された秀は辰三にどこへでもつれてってくれとたのむのだった。辰三は秀をつれて山深いホテルにやって来た。そこに集まった辰三、精二、茂吉の三人こそ金庫破りの犯人だった。精二は夜の街で会った女、夏代をつれていた。夏代は彼の素性を知ったけれど彼女の心は逆に精二にひかれた。やがて三人は金を分配し、ズラかる手はずをきめた。秀は辰三に行きがけのだ賃にホテルの金庫を破っていこうとそそのかした、だが精二は秀を警察の回し者とにらんでなきものにしようと計った。精二を好きになった夏代はこれ以上彼に悪事をさせまいと秀に逃げる様にすすめたが、秀はだまってそのおとし穴に入った。そのため秀は彼等にのされてバスルームにほうり込まれてしまった。精二に金庫破りをまかせた辰三と茂吉は裏の林にのがれ精二が金をもってくるのを待った。辰三はふと茂吉が邪魔になって彼を刺して湖につき落としてしまった。明け方精二が金庫破りをやめてやってきた。辰三は怒った。だが精二の心にはすでに人間としての考え方が復活したのだ。それは夏代の愛情によるものかもしれぬ。彼は茂吉の殺されたのを知って辰三を心から憎み彼をなぐりとばした。その瞬間辰三はガケから湖に転落したハッとした精二はホテルにとび帰ると「おれは人殺しまでしてしまった、夏代、お前をまきぞえにしたくない、帰ってくれ!」と叫んだ。そのときドアのところに秀が立っていた。秀は彼ら金庫破りの犯人の確証を得るために追跡して来た立花刑事であった。辰三は湖からはい上がったところをおさえられてすべてを白状したのだった。--ひかれていく精二に夏代は「私はきっと待っている……」とその後姿をいつまでも見送っていた。
「追跡者(1948)」の解説
「飛び出したお嬢さん」「不死鳥」「噂の男」(小川記正と協同)の小出孝で「仮面の街」(新藤兼人、岩沢康徳と協同原作・脚色)「飛び出したお嬢さん」(斎藤良輔と協同脚本)の中山隆三が独立第一回の脚本を書き「ニコニコ大会 追ひつ追はれつ」「お笑い週間 笑う宝船」「深夜の市長」以来の川島雄三が監督する。カメラは「飛び出したお嬢さん」「シミキンの拳闘王」「受胎」の長岡博之担当。主演は「旅裝」「噂の男」につぐ佐野周二「われ泣きぬれて」「抱擁(1948)」の徳大寺伸、「シミキンの拳闘王」「旅裝」「受胎」の幾野道子でそれに「受胎」「偉大なるX」の殿山泰司「酔いどれ天使」の山本礼三郎らが助演している。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:川島雄三
出演:徳大寺伸 佐野周二 幾野道子 山本礼三郎 殿山泰司 |
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配給 | 松竹・大船 |
制作国 | 日本(1948) |
上映時間 | 63分 |
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