歌麿をめぐる五人の女(1959) 作品情報

うたまろをめぐるごにんのおんな

日本橋の裏通り金兵衛長屋に住む浮世絵師喜多川歌麿は、美人画で名声をあげていた。長屋に住むおかくの娘お蝶は、歌麿のモデルになって有名になりたいと考えた。同じく金魚売りの孫娘お雪は、歌麿のフアンで身の廻りの世話をしている。歌麿の名声を快く思わないのは、松平周防守お抱えの狩野栄川を中心とする狩野派の連中である。一日、栄川の門弟に追いかけられ、歌麿はおかくの家に隠れた。お蝶は、チャンス到来と、庭先で行水をする。歌麿は筆を取った。俄然、お蝶の人気が出た。同じ長屋に住む浪人の野平軍六は仕官のあてもないその日暮しの生活をしていた。歌麿は軍六の妻のおたみの肢体に目をつけた。モデル料が一両と聞いて、おたみは意を決した。--その頃、イベリア国から将軍家の上覧に供しようと曲芸団の一行が訪れた。周防守の屋敷で、イベリア使節団接待の宴が催された。腰元五十人に紅白の腰巻をさせ、庭前の池に放った鯉を掴まえさせるという行事が行われた。歌麿は、周防守邸にもぐりこみ、これを描いた。「鮑取りの海女」の絵は大好評だった。おたみは、モデルをつとめるうちに、歌麿の真摯な態度にひかれ、いつしか思いを寄せるようになっていた。しかし、罪悪感から解放されなかった。歌麿は多額の金を与え、おたみと別れた。この歌麿とおたみの間を喚ぎとったお雪は絶望し、甚八のすすめる縁談を聞き入れた。ある夜、歌麿の家に怪漢が忍びこんだ。酒に正体をなくしている歌麿の、彼の生命ともいうべき右手の骨をうち砕いていった。歌麿は狂乱した。お雪の心は動揺した。婚家先へ着いた花嫁姿のお雪。しかし、お雪は身をひろがえして家を飛び出した。歌麿の胸もとにくずれた。彼女は「お師匠さん、お雪が手になってあげます」と叫んだ。歌麿の目からも涙が流れた。

「歌麿をめぐる五人の女(1959)」の解説

美人画の喜多川歌麿と、彼をとりまく女性たちの生態を描いた娯楽時代劇。脚本・監督は「一刀斎は背番号6」の木村恵吾。撮影は「町奉行日記 鉄火牡丹」の今井ひろし。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督木村恵吾
出演長谷川一夫 淡島千景 中田康子 淡路恵子 野添ひとみ 山本富士子 毛利郁子 春川ますみ 美川純子 矢島ひろ子 倉田マユミ 山茶花究 清川玉枝 見明凡太朗 河津清三郎 加茂良子 緑美千代 浜世津子 若杉曜子 近江輝子 小林加奈枝 金剛麗子 清水元 沢村宗之助 本郷秀雄 寺島雄作 上田寛 丸山修 嵐三右衛門 東良之助 尾上栄五郎 南部彰三 伊達三郎 寺島貢 原聖四郎 酒井三郎 藤川準 堀北幸夫 清水明 三浦志郎 越川一 三上哲 沖時男 大杉潤 安田祥郎 小南明 遠山金四郎 浜田雄史 村上邦彦 小柳圭子 高原朝子 滝のぼる 本間瑛子 和田房子 里中位子 谷口和子 松軒くみ子
配給 大映
制作国 日本(1959)
上映時間 99分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-08-25

👘長谷川一夫演じる歌麿の浮世絵のスケッチに女を描くシーンの妖艶さ

最終更新日:2022-09-04 16:00:01

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