われは海の子(1956) 作品情報

われはうみのこ

漁婦マキの夫は漁船の機関士だったが遭難に会い、浜辺に上ったのは愛用の麦藁帽子一つだけ。マキは一人息子の一郎を、夫を失った海へどうしても入れようとしなかった。だが母親の願いも、海に憧れる一郎の気持を消すことは出来ない。そうした一郎も、夏休みの或る日、魚の行商に汗水たらす母の姿を見る中、母の切願通りにしようと決心する。しかし仲間の誘いをことわって机に向ったものの、海の呼び声には勝てず、遂に家を飛出し、皆と一諸に小舟を操って、岬にある水産学校の練習船を見に出かける。遊び疲れた少年達の帰りは遅い。心配した村では篝火をたき、救援の船を出す。村に漕ぎ戻る船上、艪を使う一郎は、ありありと父の幻影を見、漕ぐ手にぐんぐん力が入る。村人の助力で子供等は無事帰還。かけ寄る母親に一郎は「父ちゃんに会ったぞ!」と叫ぶ。一郎の父は、海になお生きている。「もう海さ入んななんて言わねえぞ」というマキ。やがて船出の日、一郎は父の形身の帽子をふりながら、喜びと悲しみをこめて見送るマキを残し、海へと出て行った。

「われは海の子(1956)」の解説

黒潮洗う荒磯に父を海にうばわれ、なお海に生きる少年と母の物語。久藤達郎の戯曲から、「夜あけ朝あけ」の片岡薫と「石合戦」の村山亜土が共同で脚本執筆、「病妻物語 あやに愛しき」に次ぎ宇野重吉が監督する。撮影は荒牧正の担当。主人公の少年に劇団虹の橋の相良和文が扮するほか、赤木蘭子、滝沢修、高野由美、小夜福子、大町文夫、下元勉、宇野重吉など劇団民芸が総出演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督宇野重吉
原作久藤達郎
出演赤木蘭子 相良和文 宇野重吉 滝沢修 徳永街子 冨田浩太郎 中野孝治 大町文夫 高野由美 小夜福子 佐々木すみ江 加藤土代子 皆川よし子 三崎千恵子 田中敬子 岩崎ちえ 鈴木達雄 小神野和夫 新井陽一 中西一夫 野沢信義 下元勉 劇団ひまわり 若草 民芸水品研究所
配給 日活
制作国 日本(1956)
上映時間 69分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「われは海の子(1956)」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:47

広告を非表示にするには