青銅の基督(1955) 作品情報
せいどうのきりすと
徳川幕府がキリシタンの根絶に躍起となっていた頃、長崎の奉行所で南蛮バテレンのキリシトファ・フェレラは拷問の苦しさに堪えかね、幕府の政策に協力することを誓った。若い南蛮鋳物師萩原裕佐はキリシタンの娘モニカを愛しているが、モニカの父多門は裕佐がキリシタンでないので、結婚を許さなかった。フェレラの密告で多門が捕えられ、悲惨な最後を遂げた。ある日、フェレラは下役人岩吉からキリシタン根絶に妙案はないかと訊かれ、踏絵の代りに鋳物のキリスト像を用いることを進言した。奉行所の手先となった絵師孫四郎が、商家の若旦那に頼まれたと偽って、裕佐にこの仕事を引き受けさせた。裕佐はモニカへの愛のため、見事な青銅のキリスト像を仕上げたが、フェレラの提案で踏絵代りに使われると知って激怒し、モニカの弟吉三郎にフェレラにこそ憎むべき裏切り者だと告げた。裏切り者を殺そうといきり立つ吉三郎を押し止めたモニカは、和蘭屋敷にフェレラを訪ね、彼の良心にうったえて翻心させようとするが、フェレラはきかなかった。フェレラが何者かに狙撃されたのはそれから間もなくのことである。クリスマスの夜、儀右衛門の家に集まった信者たちは、まだ傷の癒えぬフェレラの案内で乗り込んだ役人に捕えられた。処刑の日、信徒たちは、裕佐の精魂こめて作ったキリストの前にひざまづいて礼拝した。それを見た奉行は、最後まで信徒でないといい張る裕佐を、背後から突き刺した。十字架にかけられた信従たちの口から讃美歌が唱えられた。その下に葡いよった瀕死の裕佐は、初めてモニカの愛の言葉を聞いた。地獄繪さながらの光景を前に「いつの世にもユダはいる」とつぶやくようにいったのはフェレラであった。
「青銅の基督(1955)」の解説
長与善郎の小説を「日の果て」の斎藤良輔が脚色し、「勲章」の渋谷実が監督、「名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第一部」の長岡博之が撮影を担当した。主なる出演者は「暴力街(1955)」の岡田英次、「六人の暗殺者」の滝沢修、「獄門帳」香川京子、「花ひらく(1955)」の山田五十鈴、野添ひとみ、「燃ゆる限り」の石浜朗など。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:渋谷実
原作:長与善郎 出演:岡田英次 岡田和子 滝沢修 荒木忍 香川京子 石浜朗 山田五十鈴 信欣三 幾野道子 三井弘次 毛利菊枝 堺駿二 山形勲 山路義人 伊達信 野添ひとみ 薄田研二 富本民平 高木悠子 谷鈴子 柳紀久子 |
---|---|
配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1955) |
上映時間 | 125分 |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「青銅の基督(1955)」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。