楊貴妃 作品情報

ようきひ

唐王朝、玄宗皇帝は妃を失い管絃に悲しみを紛らす日々を送り、如何なる美女もその心を慰め得なかった。軍人安禄山は楊家の娘玉環を王妃に推薦し、出世の糸口にしようとした。盛装した玉環は見違える程美しくなり、女官の取締役高力士は侍女紅桃をつけ延春宮に入れ、太真と改名させた。玄宗は梅林に咲き乱れる梅をみて即興曲を奏でた。其夜太真は玄宗の寝室に忍び込みその曲を弾いて注意をひいた。上元の節句の祭に、太真は平服を着た玄宗と共に行き彼の奏でる楽に合せて踊った。その夜から二人は愛し合い始め、玄宗は彼女に貴妃の位を与え寵愛した。三人の姉に位を授け、名誉慾と物慾の権化である従兄の楊国忠を宰相に任命したが、楊一族の登用と国忠の悪政は人々のうらみを買った。安禄山は節度使に昇進したが満足せず、貴妃に彼女を見出した恩を着せ共に地方へ逃げることを強請した。貴妃は拒んだが安禄山との密会を玄宗に疑われ楊家に下った。玄宗は貴妃のない生活に耐えられず、高力士と国忠に貴妃を迎える事を命じた。国民の楊一族に対する反感は激しく貴妃の姉の一人が殺され、安禄山が謀叛を起した。貴妃は辛うじて玄宗の許へ駈けつけたが、都長安は叛乱軍の手に落ち、玄宗と共に少数の兵に守られて逃れた。やがて国民は貴妃を殺せと玄宗に迫った。しかし貴妃は自ら命を断ち、その魂に惹かれるかの様に玄宗も世を去った。

「楊貴妃」の解説

大映と香港のショウ・ブラザース社との合作による大映カラー総天然色映画で、永田雅一、ランラン・ショウが製作に当る。白楽天の『長恨歌』にもとずいて香港の脚本家陶秦が書いたものを「七つの顔の銀次」の川口松太郎、「舞妓三銃士」の依田義賢、「明治一代女」の成澤昌茂が共同で書き直し、「近松物語」の溝口健二が監督に当り、撮影には「千姫(1954)」の杉山公平が当る。中国の時代考証家廬世候が美術の水谷浩と協力している。出演者は「春の渦巻」の京マチ子、「愛のお荷物」の山村聡、「浮雲」の森雅之、「お嬢さん先生」の南田洋子「近松物語」の小沢栄、「女給」の山形勲のほかに霧立のぼる、村田知英子、阿井美千子、進藤英太郎、石黒達也、杉村春子、村瀬幸子、信欣三などである。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督溝口健二
出演京マチ子 森雅之 山村聡 小沢栄 山形勲 南田洋子 霧立のぼる 村田知英子 阿井美千子 進藤英太郎 石黒達也 見明凡太朗 杉村春子 丸山修 村瀬幸子 姫路リエ子 楠よし子 信欣三 春本富士夫
配給 大映
制作国 日本(1955)
上映時間 98分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:48

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