P.N.「実燐」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2025-01-15
冒頭の父が厨子王に言う「人は慈悲の心を失っては人ではない 己を責めても人には情をかけよ 人は等しくこの世に生まれてきたものだ 幸せに隔てがあってよいはずがない」という言葉にハッとさせられる。
安寿が兄を逃がすために入水するシーンの水紋の美しさや、ラストの厨子王と母の再会シーンの海のきらめきは心に残る。
余談。歌舞伎シーンが光る「残菊物語」の花柳章太郎さんの息子である花柳喜章さん(厨子王)はずいぶん似てないなーなんて思いながら見ていたら、養子だとわかった。溝口監督が花柳章太郎さんと大喧嘩して落とし前につけた配役らしい。