P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-14
帝釈天の柴又界隈を舞台にした,山田洋次監督の映画男はつらいよ,寅次郎の人気のシリーズで寅さんは暫しイエスにも譬えられるけれども,洋画のリメイクの本篇も美と快の儚さに対する時と悟りの勝利と云う古楽のオラトリオ歌曲などを聴いて居るとそんな理念の発露とも想えて来る。よく監督小津安二郎の諦念と評されるが調和の世界観としての共通性があるのかも知れない
とうきょうものがたり
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帝釈天の柴又界隈を舞台にした,山田洋次監督の映画男はつらいよ,寅次郎の人気のシリーズで寅さんは暫しイエスにも譬えられるけれども,洋画のリメイクの本篇も美と快の儚さに対する時と悟りの勝利と云う古楽のオラトリオ歌曲などを聴いて居るとそんな理念の発露とも想えて来る。よく監督小津安二郎の諦念と評されるが調和の世界観としての共通性があるのかも知れない
ジャ・ジャンクー監督の〈長江哀歌〉に続いて本篇デジタルリマスター4K版を改めて視聴する。オマージュされているせいか,本当によく似て居るんだなあ!現地取材とその旅情性の豊かさ:汽船,汽車,汽笛,ダイナミックな構図。深田晃司監督がサジェストしているビターな家族の物語性。矢張り山田洋次監督の小津安二郎オマージュ作品〈東京家族〉のシーンも重ねながら泪と希望と愛
東京物語をまた観て、とても感動した。東京という言葉を口にする時、私は様々なことが浮かぶ。だがもう何年も前からリトルトーキョーが頭から焼きついて離れない。アメリカは私にとってご縁のあった国だが、リトルトーキョーが夢にまで出てきた時はひょっとしたら前世はリトルトーキョーで生まれたのかとさえ思ったほどだ。それだけに東京物語というタイトルもなぜか心地よい。この映画は家族とか、人生とか永遠の命題をどこまでも追求していて、ストーリーも実に心地よいと思う。最高だ。何度も観たくなる作品だ。
東京は私にとって縁のあった街である。それだけにこの映画を観た時、とても感動した。家族とは何か、人生とは何かを深く考えさせられた。最高の作品だ。笠智衆さんの演技は素晴らしい。原節子さんは素敵だった。
NHKラジオ深夜便の「真夜中の映画ばなし」のコーナーで流された本篇のサウンド・トラック。映画評論家・渡辺俊雄氏の原節子論も聴きながら今日の世界でトップ評価を浴びた本篇のモノクロな画像が脳裏に浮かんで来た。監督小津安二郎36歳の作品,此の老成した死生感は一体何処から来るんだろうか?山田洋次監督が3.11踏まえて〈東京家族〉でオマージュした本作には戦争の蔭が感じられる。笠智衆も老けメイクで
映画評論家・西村雄一郎氏が「殉愛」,或いはプラトニックな愛情と表現した小津安二郎監督と女優原節子との関係性が投影された作品群の核心部を為す本篇,其れは小津監督の風貌に似た義理の父親役の笠智衆と未亡人役の原との深い絆に見られ
更にTVAsahiの脚本家・倉本聰の人気ドラマ〈やすらぎの刻・道〉を視聴していたら与勇輝の昭和の懐かしい人形,恰かも本篇に因んだ様な人形も登場して来たんだ…。少年の心を持った与勇輝の創作人形の数々を前に個展でも観た事が在ったね。心洗われる作品群,倉本聰は劇中劇と老人ホームを繋ぐポイントにそんな人形をmotifとして出して来たわけ
本編を観た知人夫婦が随分と「詰まらない話」と言っていた映画史上の金字塔的作品。元の作品が保険会社の宣伝見たいな米国映画「丘を越えて」と云う作品だから,家族のありきたりの物語・ホームドラマであり老妻の臨終を廻るメロドラマは決して明るい内容では無い…。或る意味,家族崩壊の悲劇はアントン・チエホフの「櫻の園」に通じる永遠性を秘めた格調高い名篇と為って刻まれた。当時の日本ではヒットしなかったものの,小津安二郎監督の美学が結晶した作品として4Kで蘇ったんだ!紀子役の原節子の名演と共にー
本編は日本のある家族の崩壊劇を描く物語だと記述された小津安二郎監督の主旨を何処かで読んだ事が在る。一言で言えば上京した老夫婦が東京近郊の我が子の家庭に見出だした居心地の善し悪しの心境を物語ったストーリーと言う事に為る。幸福の瞬間に訪れた様な、相方の死去と帰郷…何処にでも有る普通の話を或る意味でさっぱりと或る意味、新派悲劇として残酷に描く。其れは是枝裕和監督の最新作「万引き家族」にも引き継がれる事だろう。
そして海外の映画の教科書にも本編はカット割り迄詳細が記述されている。フランソワ・トリュフォーは初めて小津安二郎監督作品を観た時只、叔父さん達が会話してる丈の映画に見えたと書いている。見直してから、恐らく日常に秘められたドラマ性やパッションに気付いたんだろう。トリュフォー監督自身、アントワーヌ・ドワネルものの一本の映画〈家庭〉でジャン・ピエール・レオ青年に日本人女性への恋を取り扱った…。
家族の絆とは何かシリアスな眼差しで見詰めた小津安二郎監督の代表作の一本。世界映画史のベストワンに選ばれた金字塔!そのアイコンの原節子の美貌と最高の女優と言わしめた紀子役は誰も凌げない伝説的作品…。そのオマージュ作品には珈琲時光、東京家族…等数多く世界の映画人に<オズノ魔法使い>とも呼ばれる程の栄誉も。ドラマ性を排した淡々としたリズムが小津調とも。ローアングルと生真面目にも俳優の真正面を捉えるカメラアングルとフレームワークが映画の文法を変えてしまった…。