P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-01-03
この日活映画「紅の流れ星」は、それまでの石原裕次郎や小林旭が演じていた主人公が、まともすぎて、つまらなくなる思えるくらい、そのチンピラぶり、軽薄さが際立っていた。
カンカン帽のずらしたかぶり方、煙草を口の端にくわえること、ウイスキーをラッパ飲みするところ、上着のひっかけ方など、とにかく身のこなし、仕種が抜群にカッコ良かった。
舛田利雄監督としては、自作の「赤い波止場」のリメイクだが、それにゴダールの「勝手にしやがれ」のテイストを加えたのが、この作品だ。
ラストの死に様が、ベルモンドが自分の手で、瞼を閉ざすのに対して、渡哲也は帽子のひさしをずらして顔を覆うなど、映画ファンとしては類似点を探すのも面白い。
また、相手役の浅丘ルリ子のアンニュイな雰囲気、当時としては斬新なファッションにも要注目だ。