夜明けの国 作品情報
よあけのくに
○北京天安門前の紅衛兵文化大革命のために全中国から北京に集ってきた紅衛兵は、天安門前の広場に集結した。○ハルピン市の壁新聞 市の行政はいまや紅衛兵と、彼らの壁新聞によって動いているように見える。○松花江 ハルピンを流れる松花江は、かつて氾濫を繰り返した兇暴な姿を失い、一九五七年に五十万人の労働力を費して完成した一九〇キロに及ぶ大堤防によって完全に治水された。○長春郊外 農村の真直中に建設中の化学肥料工場は、五ヵ年計画の一つである。○瀋陽 東北最大の工業都市瀋陽には労働者のための近代的な住宅、幼稚園など、快適な生活を送る施段がととのっている。○国慶節 十月一日の中国の建国記念日が国慶節である。この日、人民公社や工場は小旗で飾られ、長春では大群衆が毛沢東主席を称え、祝いは夜も続く。○農村支援の学生 長春の学生は国慶節が終ると、農村を応援に行く。これは学生が自ら労働の実際を学ぶための制度である。○鞍山製鉄所 鞍山鉄鋼コンビナートでは十基の溶鉱炉が活動しているが、そのうちの一基は、中国国産の最新、最大のものである。○長春の自動車工場「解放」マークの四トン・トラックが、コンベアシステムで、四分に一台の割で組立てられている。長春にはこのほか、労勧者の創意、工夫によるトラクターの修理工場もある。○移動映写隊 冬が近い吉村省の山間部を移動映写隊の青年が回っている。これは、都市と農村の文化差をなくするのが任務で、全国で約百二十万人の青年がたずさわっている。○僻地の医療班 医科大学の人々がメンバーとなっている巡回医療班は、僻地の病人の治療のほか、人民公社の病院の技術指導、家族計画と衛生思想の普及や、政治教育が任務である。○撫順露天鉱 世界最大の露天堀炭鉱のここに、日本の犠牲になった万人墓があり、消すことの出来ぬ過去を我々に知らせてくれる。○紅衛兵長征隊 地方の紅衛兵による長征運動が文化大革命と共に始った。北京に向う者や、一年二ヵ月の計画で延安に行こうとしている学生もある。国道にそって十五キロおきに彼らのためにあるサービス・ステーションや、幸福人民公社の紅衛兵の家では、安い値段で食事が出来る。彼らは、地平線の彼方に向って、黙々と歩きつづけて行く。そのほか、北京から急行で七時間の距離にある昔ながらの万里の長城や、ハルピン郊外にある半農半読学校という新しい制度の学校など、新中国の様子が克明に紹介されている。
「夜明けの国」の解説
岩波映画の撮影隊は一九六六年八月から翌年二月まで、北京、瀋陽、撫順、鞍山、長春、ハルピンなど中国の東北地方に滞在し、約八万フィートに及ぶフィルムを使用して中国の現状を長編記録映画に収めた。脚本・演出を担当した時枝俊江は「諏訪」で昭和四一年観光映画コンクール最優秀賞を獲得した俊英女流監督で、長編ドキュメンタリーとしてはこれが第一作目である。撮影はPR映画、ドキュメンタリーを手がけている藤瀬季彦と、新人渡辺重治が担当した。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | 東和 |
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制作国 | 日本(1967) |
上映時間 | 110分 |
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