P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-23
クールなコンボ・ジャズや、ホットなエレキのビートにのせて「イキがったらあかん。ネチョネチョ生きてるこっちゃ」とうそぶく時、初期のゴダールに限りなく接近する。
特攻隊崩れの天知茂の戦中派ヤクザにも、ここではない、どこかを夢見るハーフの少年にも与しない脆さ、そして、儚さと裏腹の刹那のカッコよさにシビレル。
やくざぐれんたい
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クールなコンボ・ジャズや、ホットなエレキのビートにのせて「イキがったらあかん。ネチョネチョ生きてるこっちゃ」とうそぶく時、初期のゴダールに限りなく接近する。
特攻隊崩れの天知茂の戦中派ヤクザにも、ここではない、どこかを夢見るハーフの少年にも与しない脆さ、そして、儚さと裏腹の刹那のカッコよさにシビレル。
中島貞夫監督の「893愚連隊」は、衰退する時代劇から任侠路線へ、過渡期にあった東映京都撮影所から飛び出した突然変異の傑作だ。
現代の京都を舞台にしたオールロケ、若手俳優中心の地味なキャスト、モノクロと低予算だったが、文字通りのストリート感覚に貫かれて躍動する画面は永遠に新しい。
これぞまさしく太秦ヌーヴェルバーグ。ヤクザの義理人情や掟を否定。
愚連隊民主主義を標榜しつつ、セコイしのぎに精を出す、松方弘樹、荒木一郎、近藤正臣らのチンピラたちの軽薄な日常。