P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-21
松本清張原作の小説を映画化した、山田洋次監督の「霧の旗」は、山田洋次監督の演出の良さと、主演者の倍賞千恵子と滝沢修の力演が相まって、何度繰り返し観ても飽きない作品だ。
倍賞千恵子が、ヒロインの桐子に扮していて、桐子の兄が強盗殺人の犯人とされたが、無実を信じ、熊本から上京し、滝沢修扮する高名な大塚弁護士に、弁護を依頼しようとする。
しかし、大塚弁護士は、これを冷たく拒絶する。
弁護料の支払い能力がないという理由で——-。
その後、兄は獄死し、桐子は大塚弁護士への復讐を決意する。
倍賞千恵子は、「男はつらいよ」シリーズでの演技がそうであるように、こういう庶民の娘を演じると、抜群にうまい。
この「霧の旗」では、復讐という意志力を必要とする役柄なのだが、それも、冷たい表情で完璧にこなしている。