座頭市血笑旅 作品情報

ざとういちけっしょうたび

甲州路を行く座頭市を見えがくれに追う五人組の殺し屋、文珠の和平次、島蔵、猪蔵、菊蔵、鶴蔵らは、市が乗った駕を先廻りして刺した。だが駕の中は赤ん坊を抱いた若い女おとよであった。市は途中で、急病に苦しむおとよに、駕をゆずったのだった。おとよの死を知った市は、その亭主信州宮本村の宇之助の許まで、赤ん坊を届けることにした。赤ん坊を抱いて、"めくらの市"は、駕かき土平と馬助を連れて子守旅を始めた。だが、五人組は、そんな市に襲いかかった。市の居合斬りで、一人を斬られた五人組。土平、馬助は退散して、市は赤ん坊と二人の旅を続けた。仲間を殺されて怒った殺し屋は、顔みしりの麻古女の半五郎を味方にして、おしめを替えている市に斬りかかった。だがそこでも市の刀は半五郎一家十人の命を奪っていた。盲目の市が、赤ん坊の世話をしながらの、やくざ旅は、苦労の連続であった。一夜賭博で金を作った市は、翌朝、田舎侍に追われる女巾着切り、お香を助け、子守り代りにお香をやとった。市の気っぷに惚れたお香は、市と口喧嘩をしながらも、よくめんどうをみた。ある日、お香が赤ん坊を二階からおしっこさせたのが、通りがかった相撲取り小手丑にかかり、市との間に乱闘が起きた。丁度通りがかった四人組は仕込杖を持たない市に、襲いかかったが、お香の機転でのがれることができた。市とお香が、お互い離れ難い愛情が湧いたころ、市は、今ではやくざの親分となっている宇之助を訪ねた。しかし宇之助は、子分に命じて赤ん坊を抱いた市を追い払った。宇之助の態度に怒った市は、赤ん坊をおとよの遺髪と共に菩提寺瑞光院の和尚に預けた。時しも寺の外では、宇之助を味方にした殺し屋、和平次らが竹槍の先に火をつけて、市を包み討うと襲った。市の居合破りを考えた和平次の作戦であった。振りかかる火と刃の中で四人組と子分を倒した市は、可愛いい赤ん坊の父親、宇之助だけは命を許した。赤ん坊と別れる市とお香の眼に涙が光った。

「座頭市血笑旅」の解説

「眠狂四郎女妖剣」の星川清司と「ど根性一代」でコンビの吉田哲郎、松村正温が共同でシナリオを執筆「悪名太鼓」の三隅研次が監督した座頭市シリーズ八作目。撮影もコンビの牧浦地志。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督三隅研次
出演勝新太郎 高千穂ひづる 金子信雄 加藤嘉 天王寺虎之助 北城寿太郎 毛利郁子 石黒達也 伊達三郎 藤山浩二 橋本力 南部彰三 杉山昌三九 越川一 沖時男 川口のぶ 近江輝子 南条新太郎 石原須磨男 玉置一恵 堀北幸夫 木村玄 藤川準 愛原光一 千石泰三 黒木英男 原田清子
配給 大映
制作国 日本(1964)
上映時間 87分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-17

この映画「座頭市血笑旅」は、座頭市がしばしパパになるという内容の”座頭市シリーズ”8作目の作品で、監督はシリーズ1作目以来の三隈研次だ。

この映画は、東京オリンピックが開催されている最中に封切られたが、他の映画館が閑古鳥が鳴く中、超満員の盛況だったという伝説を残している作品でもあるんですね。

何の因果か、母を殺されこの世にひとり残された乳飲み子を、父親のもとへと届ける役目を引き受けた、我らが座頭市。

成り行きではあるのだが、授乳やらおしめの取り替えに苦労しながらも、即席パパになろうとする。
それで、賭場でも殺陣のシーンでも、”小道具”としての赤ん坊がちゃんと利いている。

執拗に命を狙い続ける一味とのあれこれ、道中で知り合った女スリ(高千穂ひづる)との微笑ましいエピソードなどを挟みつつ、やがて旅も大詰めになっていく。

最終更新日:2024-05-27 16:00:01

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