暗殺(1964) 作品情報

あんさつ

文久三年、浪士取扱松平主税介は老中板倉周防守に手を回し、目明し嘉吉を斬った罪で追われていた出羽浪人清河八郎を許す一方、風心流の名人佐々木唯三郎に清河を斬る準備を命じた。だが先廻りをした清河は、佐々木の前で北辰一刀流大目録皆伝の腕をいかんなく発揮し、佐々木をうちのめした。松平が清河を知ったのは八年前、清河が熱烈な尊攘論者であった頃であった。だがその清河は、勤王の志士への対策として、守護職に名をかりた浪士隊を組織することを、松平に献案して大赦を受けたのだった。かつて清河と同志であった佐久間たちは、彼の変節に激怒した。松平の命をうけて清河をつけ狙う佐々木もこの話を興味深く聞いた。そして佐々木は清河が嘉吉を斬った夜、彼が妓楼からひいたお蓮にすがりついて錯乱の態であったことを知って、清河を斬ることができると思った。だが、お蓮も、捕吏の拷問にあい斬殺されていた。文武に秀れ天才と呼ばれた彼の言動には、奇怪な事が多かった。弟子の石坂周造も坂本竜馬も、清河の思い出について、薩摩藩士を煽動し寺田屋事件をひきおこしたのみで、倒幕に失敗した時の、一匹狼清河の姿は寂しいものであったと語るのみで、清河の本当の姿を知るものはいなかった。さて、清河立案の浪士組は結成され、清河は同志の批判の中、京へ向った。京へ入ると清河は、自分の野望を遂げんと、尊王攘夷の勅諚をもらい朝廷直轄の浪士隊を作ろうとした。計画通り勅諚をもらい清河幕府を樹立した清河に、幕府の面々はあわて、再び佐々木が使わされた。執念の鬼と化した佐々木は、一夜酔った清河の背後を襲い一匹狼清河の命を奪った。

「暗殺(1964)」の解説

司馬遼太郎原作「幕末」の一篇“奇妙なり八郎”より「無頼無法の徒 さぶ」の山田信夫が脚色「乾いた花」の篠田正浩が監督した時代劇。撮影もコンビの小杉正雄。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督篠田正浩
原作司馬遼太郎
出演丹波哲郎 岩下志麻 木村功 小沢栄太郎 岡田英次 穂積隆信 早川保 須賀不二男 佐田啓二 穂高稔 竹脇無我 水島真哉 高津住男 蜷川幸雄 清水元 城所英夫 立岡光 山路義人 青山宏 葵京子 織本順吉 武智鉄二 日下武史 水島弘
配給 松竹
制作国 日本(1964)
上映時間 104分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-08-09

佐田啓二の坂本龍馬の役処が渋い本篇,武満徹の音楽は篠田正浩監督作品のシャープなモノクロ映像感覚を一際斬新に引き立て

最終更新日:2023-08-19 16:00:02

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