裸の重役 作品情報

はだかのじゅうやく

日高孝四郎は、中央商事の取締役営業部長であった。精力的な彼の仕事ぶりは、仕事の鬼と称されたが、そんな日高も、バーのマダムには“東京一淋しい男”にうつった。十年前に妻を失くし、二十二歳になる啓子を、社内で最も優秀な男と結婚させようと、心くばる日高には、病人をかかえて定年後の心配をする浜中のことなど、眼中になかった。日高の今日の地位を獲得したのは、実力に加えて社長の小杉、大株主松本のヒキがあったことは事実であった。松本からの話で、三ヵ月欧米をまわってくるようにと要請があった。帰ったら常務間違いなしだ。日高の送別会は、満五十歳の誕生日をかねてもよをされた。ピンクのチャンチャコを送られた日高は、妙に年令を意識した。かって浜中に嘱託となるよう頼まれたことが、自分のことのように思われた。一方娘の啓子は、日高の思惑とは逆に消極的で、出世から忘れられた奥田に好意をよせていた。松本の息子との話があった直後だけに、日高の動揺も大きかった。奥田と啓子の結婚は本ぎまりとなった。これで、日高の社長への夢は破れた。以来彼の強気は一転した。小雨の降るある夜、日高はBGでコールガールをする小西咲子に出会った。彼女との出会いは、日高の心をなごませた。松本の要請で、昔の日高孝四郎になって欲しいとチャンスを与えられた日高は、もう一度仕事の鬼になろうと、誓った。だが、今は、若い咲子を離すことは出来なかった。三カ月五万円の専属契約を結んだ日高は、再び仕事の鬼となったが、契約の三カ月がきれようとする時、日高にとって、咲子は、なくてはならない人間であった。日高は、自分のためにも、彼女のためにも。咲子との関係を続けていこうと思った。

「裸の重役」の解説

源氏鶴太の『東京一淋しい男』を「こんにちわ20才」の井手俊郎が脚色「みれん」の千葉泰樹が監督したサラリーマンもの。撮影は「続社長紳士録」の西垣六郎。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督千葉泰樹
原作源氏鶏太
出演森繁久彌 星由里子 村瀬幸子 団令子 草笛光子 児玉清 宮口精二 松村達雄 船戸順 稲垣隆 黒部進 東野英治郎 田崎潤 柳永二郎 若松明 有島一郎 加東大介 清水元 伊藤久哉 中村伸郎 藤木悠 佐田豊 小川安三 中山豊 浦山珠実 丘照美 矢野陽子 広瀬正一 夏木順平 東郷晴子 大沢健三郎
配給 東宝
制作国 日本(1964)
上映時間 103分

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最終更新日:2024-02-11 02:00:06

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