十七人の忍者 作品情報

じゅうしちにんのにんじゃ

二代将軍秀忠の病篤いとき、嫡子家光の弟忠長は駿府にあって外様大名の謀反連判状を集めていた。老中阿部豊後守は伊賀忍者甚伍左にこの連判状の奪取を命じた。甚伍左は部下十五名と共に駿府へ向い、娘の梢を連絡係として残した。駿府側が雇った根来忍者才賀孫九郎は、早くも潜入した伊賀忍者源心ら四名を殺し、続いて連判状のある本丸に近づいた二人も餌食となった。駿府の家臣たちは忠長の命を案じ、孫九郎の反対を押し切って連判状を本丸から鬼門櫓に移す。この動きを連絡しようとした二人の忍者も死んだ。甚伍左は残りの部下と城下の羅漢寺に潜んでいたがそこで忍者半四郎が梢のかんざしを持っているのをみつけ、それを取り上げるのだった。秀忠が死んだ。豊後守は梢を駿府へ急行させ、連判状を奪えと厳命した。一方、孫九郎は、駿府に向った忍者は伊賀三の組の十六名で、羅漢寺に潜んでいるとの報告をうけた。寺は教われ、後を半四郎に任せて捕えられた甚伍左は鬼門櫓で拷問され、歩行不能となった。忍者たちは相次いで斃される。残るは城内の塩庫にひそむ半四郎と文蔵の二人。そして梢は孫九郎の手に落ちて責められている。文蔵は、沈着な半四郎に敬服、彼を助けるため自ら敵前に飛出して撃たれた。「十六人、すべて倒した!」と喜ぶ孫九郎に甚伍左がいった。「公儀隠密人別帳に女はのっておらぬ。伊賀忍者はまだ一人いる!」その油断につけ込んで梢を救い出した半四郎は、孫九郎と激闘の末、これを斃した。甚伍左は孫九郎に這い寄って、連判状を半四郎にさし出しながら息絶えた。寛永九年、忠長は自刃した。

「十七人の忍者」の解説

「八幡鳩九郎」の池上金男が脚本を執筆、「柳生武芸帳 片目水月の剣」の長谷川安人が監督した忍者もの。撮影は「忍者秘帖 梟の城」の鷲尾元也。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督長谷川安人
出演里見浩太朗 近衛十四郎 三島ゆり子 大友柳太朗 東千代之介 花澤徳衛 加賀邦男 品川隆二 和崎俊哉 尾形伸之介 五里兵太郎 名護屋一 汐路章 鈴木欣也 香月涼二 毛利清二 藤川弘 戸塚新八 堀正夫 原田甲子郎 大邦一公 中村錦司 阿部九洲男 楠本健二 源八郎 木島修次郎 仁礼功太郎 唐沢民賢 小山田良樹 川波公二郎 国一太郎 長田健二 木南兵介 晴賀俊介 佐藤洋 薄田研二
配給 東映
制作国 日本(1963)
上映時間 99分

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-12

徳川二代将軍・徳川秀忠の病に乗じて、嫡子・家光の弟・忠長は、外様大名と謀反を企てていた。

その証拠となる連判状を奪うべく、幕府隠密・伊賀の甚伍左(大友柳太朗)が、配下の者15名と共に駿府城への潜入を試みるが、城に雇われた根来忍者・才賀孫九郎の策によって、次々に隠密たちが死んでいく。

余裕の守り手に焦りの攻め手。現実にあるような忍具や体術を使った忍者戦が描かれる一方、新規採用の孫九郎が手柄を立てるに従い、城の侍たちに妬まれ、多数であったはずの城方が、孫九郎の孤軍奮闘となり-------。

無意味な死が積み上がり、次第に意味を成して、攻守の形勢が逆転していく。
心理戦やマジック的な忍法が、じっくりと描かれている作品だ。

最終更新日:2024-05-22 16:00:02

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