台所太平記 作品情報

だいどころたいへいき

作家の千倉磊吉の家は京都にあった。この京都から伊豆山に移り住んだが、その間、何人ものお手伝さんが変った。これはそのお手伝さんの行状記である。初は戦前派の典型的な女中だった。半農半漁の貧しい家に生まれ、千倉家に来た。初の青春はこの家ですぎてしまい、結婚の経験もなかった。磊吉夫婦の世話で薬局の主人花村と見合いをしたが、初の姉の口ききで結婚してしまい、磊吉夫婦を失望させた。梅は初と同郷の酒好きで朗らかな性格だった。そして漁師である初の弟安吉と結ばれ千倉家を去って行った。駒は京都の出身で大変なグラマー、ゴリラの真似とフラダンスが大の得意、奉公が勤まらなければ家に帰っても入れてもらえないというので、一心に働いている気だての良い女だった。初、梅が去った後も駒は長く千倉家に残った。磊吉達は京都から伊豆山へと移った。鈴は大津の生まれ、中学を出ているせいか勉強家で、磊吉に字を教えてもらっていた。後に熱海の旅館の番頭と結婚した。九州から来た百合はいろいろと希望があるらしく、磊吉に頼み、ある映画スターの付人にしてもらった。それからしばらくして九州の炭坑で働く父が事故で急死したため、九州へと帰っていった。その別れは、磊吉夫婦にとっても百合にとっても悲しく印象に残るものだった。入れ代り立ち代り、お手伝さんが千倉家を去来したが、そこにはそれぞれの人生があり、磊吉はその一つ一つの人生に幸あれと祈るのだった。

「台所太平記」の解説

サンデー毎日連載・谷崎潤一郎原作を「憂愁平野」の八住利雄が脚色、同じく豊田四郎が監督した文芸もの。撮影は「喜劇 とんかつ一代」の岡騎宏三。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督豊田四郎
原作谷崎潤一郎
出演森繁久彌 淡島千景 森光子 乙羽信子 京塚昌子 淡路恵子 水谷良重 団令子 大空真弓 池内淳子 中尾ミエ 小沢昭一 飯田蝶子 西村晃 若宮忠三郎 萬代峰子 都家かつ江 松村達雄 山茶花究 三木のり平 フランキー堺
配給 東宝
制作国 日本(1963)
上映時間 110分

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最終更新日:2024-05-18 02:00:06

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