にっぽん実話時代 作品情報
にっぽんすきゃんだるじだい
返本の山と積まれた経済マガジン社、社長の黒岩はついに「今日から儲かる大衆雑誌を作るんだ」と宣言した。社名も実話時代社と変り、どこから来たのか得体の知れない編集長伊達が入って来た。動揺する編集員の前に札束を見せて伊達はどなった。煙が立ってなかったら火をつけて記事を作れ、世間の汚なさをほじくり出して儲けるんだ、と。雑誌実話時代の創刊号は売りに売れた。社風は一変し、皆の身なりも紳士然となった。しかし、ゴミ箱をあさる野良犬のようなペンギャングと変りネタを漁る彼等だった。ソープランドの娘を買収し会話をテープで盗み取りしてソノシートにして発売したり、女優衣笠の情事をデッチ上げて彼女を自殺未遂に追いつめたり。トップ屋が運んで来た中に開運銀行の頭取の情事が入ったテープがあった。相手はナイトクラブの女社長と判り、早速伊達は寝室の取引と題してソノシートを発行することにした。その寸前発行誌全部を買いますと三百万が届けられ、勿論収めた。夜の料亭の玄関で、伊達は記事の出所を問われて開運銀行をクビになったという杉本に喰ってかかられた。そして意外な話を聞いた。頭取の命令で海野コンツェルンに不正融資をしているというのだ。十人足らずの雑誌記者で大コンツェルンの屋台骨を食い荒らす、この痛快な仕事に皆は飛び込んだ。しかし思わぬ事に黒岩社長が反対するのである。それは実話時代社の資本が海野から出ているというのだ。その時、伊達は初めて打明けた。彼は極東新聞に居た頃財界の大きなネタをつかまえたが、圧力がかかって記事は没にされ責任を問われて馘。誰が何と言おうと手は引かない。野良犬同様の編集員達にも生気が溢れて、社長の全員馘だの声も聞かずに皆立ち上った。海野コンツェルンの腐った肉をつつき野良犬は野良犬のバイタリティがあるのだと真実の特ダネを求めに歩き出した。
「にっぽん実話時代」の解説
「月給泥棒」の松木ひろしが脚本を執筆、「暗黒街の牙」の福田純が監督した記者もの。撮影は「やま猫作戦」の小泉福造。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:福田純
出演:高島忠夫 藤木悠 田中邦衛 ミッキー・カーチス 安川実 当銀長太郎 有島一郎 南弘子 池内淳子 浜美枝 中真千子 若林映子 中島そのみ 平田昭彦 田崎潤 松村達雄 浦島千歌子 織田政雄 千石規子 村上冬樹 東郷晴子 中北千枝子 土屋嘉男 清水元 藤野たまみ 田武謙三 清水由記 芝木優子 田辺和佳子 久野征四郎 荒木保夫 大村千吉 広瀬正一 小川安三 宇野晃司 岡豊 村松恵子 江幡秀子 織田千加子 石田茂樹 沢村いき雄 佐田豊 大木正司 関田裕 高木弘 佐藤功一 |
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配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1963) |
上映時間 | 83分 |
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