ニッポン無責任時代 感想・レビュー 5件

にっぽんむせきにんじだい

総合評価5点、「ニッポン無責任時代」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-03

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

彼が演じている主人公の名前は、平均(たいら・ひとし)。
サラリーマンは気楽な稼業とばかりに、口八丁手八丁のとても平均的な日本人とは思えない調子のいい男だが、いやまてよ、猛烈サラリーマンなんてのより、案外こっちの方が”日本人の実像”に近いかな? と一瞬思わせるだけの微妙な皮肉になっていると思う。

この平均という男、日本的な終身雇用制なんてことなど、どこ吹く風とばかり、いろんな会社にひょいひょいと潜り込んで、世間を渡ってきたらしい。

行く先々で、とことんいい加減にふるまうが、世の中は幸せでいっぱいみたいな笑顔と、悪びれない”ゴマスリ”の上手さで、みんながあっけにとられているうちに、どんどん出世してしまうのだ。

なにしろ、まさか、と思う間もないスピードでリズムに乗って意表をつく裏切りなどを楽しそうにやってしまうのだから恐れ入る。
しかも、この植木等という俳優が、素顔ではいたって律儀な真面目人間なんだから、そのギャップも面白い。

とにかく、突撃演出で知られる個性派監督の古沢憲吾がスピーディで、歯切れの良いパンチの効いた演出を見せていて、原案・脚本の田波靖男、キレの良い演技を披露した植木等、それぞれの傑出した才能が結集して生まれた”奇跡的な作品”だと言わざるを得ない。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-03

1950年代から1970年代まで、東宝映画のドル箱だった大衆的な喜劇に、森繁久彌主演の”社長”シリーズがあった。

ちょうど、その時代は高度経済成長期の、貧しいけれども遮二無二働いて、会社に生き甲斐を見出していた当時の”日本人の気分”を良く反映していたものだ。

こうして、”猛烈サラリーマン”というような言葉が生まれ、やがては日本人は仕事中毒だなどとさえも言われるようになるが、そんな風潮を諷刺することで一世を風靡したのが、「スーダラ節」その他一連の、青島幸男作詞、植木等が歌ったコミック・ソングだった。

世間ではみんな大真面目に努力しているが、俺は努力なんかしないで要領良くうまくやるよという内容であり、歌詞の辛辣さに加えて、植木等の途方もない楽天的なキャラクターが大いに受けたのだ。

この人気に着目して、同じ東宝映画で社長シリーズに対する”逆説”のようにして企画されたのがこの映画「ニッポン無責任時代」にはじまる一連の、ハナ肇とクレージー・キャッツの植木等主演の”無責任男”シリーズなのだ。

P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-07-13

ニッポン無責任時代を観た。とても感動した。この映画はある意味で私を精神的に救ってくれたからだ。私は20年近い新聞記者の時代を振り返ると、今でも素晴らしい上司に出会ったことにとても感謝している。また取材をさせてもらった多くの方々にも感謝の気持ちでいっぱいだ。だが、私は何年もストレスのたまる生活をしていたと思う。だからこの映画を観たのだ。植木等さんのストレスフリーの生き方はあまりにも素晴らしいと思った。そして心からストレスフリーになりたいと思った。この映画を観るたびに、今でも胸が熱くなる。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-09-11

NHKTVのドラマ〈植木等とのぼせもん〉の主演は山本耕史。丸顔の彼のちょび髭姿は、どちらかと言うと、せんだみつお風?だが渋い声が中々に決まっている。本編に続きプレミアム・シネマで放映された〈ニッポン無責任野郎〉も、歌謡度を深化させて植木等の喉を聴かせる🎵締まり屋の団令子との倹約ペアも脂がのって来た。ラストシーンでの平等社長と秘書の二役は本編を踏まえたファン・サービス!

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-09-04

NHKTVで放送の始まった連続ドラマ〈植木等とのぼせもん〉。現代人は本編の様な笑いを又求めていると在った。ドラマには唄や映画が大ヒットしてフラフラな植木等の姿が出て来た。古澤憲吾監督の無責任な異常な男の成功譚を描き出した執念が伝わって来る。植木等の完全主義の演技が、又クレージーキャツのチーム力が本編の重責を見事に背負ったエンターテイナーとしての力を感じさせた。

最終更新日:2024-07-13 16:00:01

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