ニッポン無責任時代 作品情報

にっぽんむせきにんじだい

口八丁、手八丁の平均(たいら・ひとし)は、バー「マドリッド」で太平洋酒乗ッ取り話を小耳に挟んだ。太平洋酒の氏家社長に同郷の先輩の名を持ち出し、まんまと総務部勤務になった均の初仕事は、大株主富山商事の社長を買収することだった。小切手一枚で見事成功。新橋芸者まん丸も彼の凄腕にコロリ、係長に昇進とは全く気楽な稼業である。しかし三日天下とはよくもいったもの、乗ッ取り男・黒田有人が富山の持株を手に入れたと判って、均はたちまちクビになった。黒田の黒幕は山海食品社長大島良介だが、彼の娘洋子はボーイ・フレンドの氏家孝作と駈け落ちをした。さて、均は新社長就任パーテーで黒田に会ったが、余興と宴会のとりもちの巧さから渉外部長に返り咲いた。ところで伝統ある太平洋酒が山海食品の子会社になるとは、太平側の社員にしてみれば無念な話である。一方、トントン拍子の均の下宿にマドリッドの女給京子、芸者まん丸、太平洋酒の女秘書愛子が押しかけ、恋のサヤ当てを始めた。均は愛子の猛烈なキッス攻めにフラフラである。その頃、大島邸を訪ねた黒田が令嬢洋子の結婚話を切り出したところ、彼女には氏家孝作という好きな相手がいると判った。均の次の仕事は、太平洋酒の商売仇である北海物産からホップの買いつけである。均は煮ても焼いても食えない北海の石狩社長を、桃色フィルムとお座敷ヌードで攻略したが、美人局の真似とはもってのほか、そのうえ公金横流し、御乱行がバレてクビになった。だが転んでもただ起きない均は、洋子の縁談のことで大島と黒田が頭を痛めていると知るや洋子の居場所をタネに、氏家社長の復職を迫った。かくて一転、二転、三転、晴れてその日は氏家家と大島家の結婚式、タキシード姿で現れた均が北海物産の新社長とは誰が知ろう!

「ニッポン無責任時代」の解説

「銀座の若大将」の田波靖男と「豚と金魚」の松木ひろしが共同で脚本を執筆、「重役候補生No1」の古沢憲吾が監督したサラリーマンもの。撮影は斎藤孝雄。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督古沢憲吾
出演植木等 重山規子 ハナ肇 久慈あさみ 峰健二 清水元 藤山陽子 田崎潤 谷啓 安田伸 犬塚弘 石橋エータロー 桜井センリ 松村達雄 由利徹 中島そのみ 団令子 中北千枝子 人見明 稲垣隆 井上大助 峯丘ひろみ 岡豊 荒木保夫 堤康久 宮川澄江 清水由紀
配給 東宝
制作国 日本(1962)
上映時間 86分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、5件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-03

1950年代から1970年代まで、東宝映画のドル箱だった大衆的な喜劇に、森繁久彌主演の”社長”シリーズがあった。

ちょうど、その時代は高度経済成長期の、貧しいけれども遮二無二働いて、会社に生き甲斐を見出していた当時の”日本人の気分”を良く反映していたものだ。

こうして、”猛烈サラリーマン”というような言葉が生まれ、やがては日本人は仕事中毒だなどとさえも言われるようになるが、そんな風潮を諷刺することで一世を風靡したのが、「スーダラ節」その他一連の、青島幸男作詞、植木等が歌ったコミック・ソングだった。

世間ではみんな大真面目に努力しているが、俺は努力なんかしないで要領良くうまくやるよという内容であり、歌詞の辛辣さに加えて、植木等の途方もない楽天的なキャラクターが大いに受けたのだ。

この人気に着目して、同じ東宝映画で社長シリーズに対する”逆説”のようにして企画されたのがこの映画「ニッポン無責任時代」にはじまる一連の、ハナ肇とクレージー・キャッツの植木等主演の”無責任男”シリーズなのだ。

最終更新日:2024-07-13 16:00:01

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