P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-13
この映画「飼育」は、大島渚監督の最初の独立プロ作品だ。
乗機を撃墜されて、山間の村に降りた黒人兵をめぐるこの映画は、日本の部落の天皇制に通じる支配構造と、人々の戦争責任と、その無責任さ執拗に追及している。
特に、日本映画では見たことがないほど、複雑怪奇な性格のボス(三國連太郎)を造型した点で、出色の作品になっている。
囲碁、大島渚監督の関心は、しばしば日本における権力の構造と、支配=被支配の関係の探求に向かうのだが、この作品はその原型で、ラストの少年の死線も、大島渚監督の原点のありかを示していると思う。