飼育 感想・レビュー 2件

しいく

総合評価5点、「飼育」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-13

この映画「飼育」は、大島渚監督の最初の独立プロ作品だ。

乗機を撃墜されて、山間の村に降りた黒人兵をめぐるこの映画は、日本の部落の天皇制に通じる支配構造と、人々の戦争責任と、その無責任さ執拗に追及している。

特に、日本映画では見たことがないほど、複雑怪奇な性格のボス(三國連太郎)を造型した点で、出色の作品になっている。

囲碁、大島渚監督の関心は、しばしば日本における権力の構造と、支配=被支配の関係の探求に向かうのだが、この作品はその原型で、ラストの少年の死線も、大島渚監督の原点のありかを示していると思う。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-10-15

NHKBSのドキュメンタリー番組の特集では,捕虜に為った米兵12人がヒロシマで被爆死した民放局NNNドキュメント等が放送された。ふと黒人飛行兵が捕らえられて村人に「飼育」されて仕舞う大江健三郎原作の本編が想い出されて来たんだ…。此の大江文學は海外でも映画化されカラー作品も観た事が在った。其れにしても先の報道番組にもオバマ大統領のヒロシマ式典参加のシーンも在って、核状況下の複雑な現代世界の〈今〉をじっと見据えていたんだ。

最終更新日:2023-12-23 16:00:01

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