紅の拳銃 作品情報
くれないのけんじゅう
クラブ「銀の城」--片隅に坐っていた石岡は、酒をあおっているニヒルな感じの男を見て、“俺が探していたのはこの男だ”とつぶやいた。石岡はかつて射撃の名手だったが、戦争で右腕を失ってからは悪の世界にとびこんでいた。命知らずの男を殺し屋に仕立ててボスに売りこむのが彼の商売なのだ。中田というその男は、殺し屋になることをあっさり引受けた。その時、女給の千加子が中田に助けを求めた。ギャングに殺されるという。中田はギャングを殴り倒した。中田の射撃の腕はみるみる上達した。石岡には菊代という盲目の妹がいた。中田は菊代に、同情した。神戸の大学病院に行けば治るかもしれないという診断だった。ボスの小寺が中田を買った。小寺は写真を出して、この女を消せと言った。女は千加子だった。干加子は神戸のボス陳万昌の情婦で、麻薬ルートの秘密を知っている彼女を陳は殺そうとして小寺に命じたのだ。中田と千加子の姿が消えた。小寺は裏切りを怒り、石岡に中田を殺すように命じた。中田と彼を追って神戸にきた石岡も、陳の罠にかかった。神戸の大学病院にきた菊代も監禁されてしまった。陳の弟・大隆が香港にいた麻薬王劉徳源を殺して帰ってきた。兄弟は、東京の小寺一派を消す相談をした。中田と石岡兄妹は砂丘に連れ出された。その時、三人の男が現われ大隆を乱射した。劉徳源がさし向けた殺し屋たちだった。劉は死んでいなかったのだ。劉は中田に味方になるよう頼んだ。劉の妻の張栄光は、かつての中田の恋人美津だった。劉一味は陳邸を襲った。凄惨な闘いの最中に千加子は陳を射って自殺した。陳も劉も倒れた。その時、警官隊がきた。中田は実は刑事だったのである。やがて、菊代の目も全治した。
「紅の拳銃」の解説
田村泰次郎の原作小説(講談倶楽部連載)を「俺が地獄の手品師だ」の松浦健郎が脚色、「英雄候補生」の牛原陽一が監督したアクション・ドラマ。撮影は「俺の血が騒ぐ」の姫田真佐久。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:牛原陽一
原作:田村泰次郎 出演:赤木圭一郎 垂水悟郎 笹森礼子 白木マリ 吉行和子 小沢昭一 草薙幸二郎 芦田伸介 小沢栄太郎 深江章喜 野呂圭介 矢頭健男 藤村有弘 中台祥浩 林茂朗 浜村純 鴨田喜由 鈴木俊子 伊豆見雄 水木京二 河瀬正敏 |
---|---|
配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1961) |
上映時間 | 86分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-14
この映画「紅の拳銃」は、21歳の若さで事故死した、日本のジェームズ・ディーンこと赤木圭一郎の遺作。
殺し屋の教育係(垂水悟郎)が、若い男(赤木圭一郎)をスカウトし、一流の拳銃使いに育てて、犯罪組織に売り込む。
男はある組織のボスの暗殺を依頼され、複雑な対立に巻き込まれていく。
垂水が赤木に拳銃の使い方を教える講義は、銃の構造図も交えた本格的なもので、興味深いものがある。
また赤木が拳銃の腕前を披露するシーンでは、後の「ダーティハリー2」に出てくるような、動く標的を使用し、サスペンスを盛り上げている。