正午なり 作品情報
まひるなり
都会生活、おおぜいの人の中での生活をうまく営めなかった忠夫が、故郷信濃大町に帰ると、母は温く迎えてくれたが、父の態度は冷たかった。百姓仕事は父母で充分なのだ。どうにか電気店に勤めた忠夫は、幼なじみの哲治に出会い、連れて行かれたバーで、ホステスのあけみを紹介されるが、忠夫には、女はわずらわしかった。今の忠夫には、山岳、渓流、イヌワシや雷鳥だけが心を優しくしてくれる。夏祭りの夜、哲治が村を出るので金を貸して欲しいと、忠夫を訪ねた。いったんは承知した忠夫だが、哲治がホステスのいづみと一緒と知って反対するのだが、結局二人は都会に向かった。女をわずらわしいと思う忠夫も、若い血はおさえ難く、牧場で働くレイコの部屋に入り、女の匂いの残る布団を抱き、興奮を覚えることもあった。いづみに逃げられて帰ってきた哲治が、彼女のいたバーに行くと、そこには、あけみとヤクザがおり、哲治はヤクザに手ひどく殴られてしまう。止めに入った忠夫も殴られるが、その無鉄砲な姿にかつての自分を想い出したその男は、二人をあけみの部屋に寝かせ姿を消すのであった。忠夫と哲治の間の友情は深まり、忠夫は、酒でも飲みながら、このまま世界が続けばいいと思った。ところが、哲治は見合をして結婚を決めてしまい、それが引き金となって友情にヒビが入り、そして毀れた。居場所を失った忠夫は再び村を出る決意をする。村を発とうとする朝、忠夫がバスを待っていると、村へ通じる道をレイコが歩いている。忠夫はその後を追う。そして白樺林へ。やがて正午になろうとしている。
「正午なり」の解説
都会の生活に失敗した青年が故郷に帰り、そこで、自分の生活を見出そうとする姿を描く。芥川賞作家、丸山健二の同名の原作を映画化したもので、脚本は漫画家として活躍する福地泡介、監督は黒木和雄の助監督をつとめてきて、この作品がデビューとなる後藤幸一、撮影は「わんぱくパック まなつのよるのゆめ」の西浦清がそれぞれ担当している。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1978年12月30日 |
---|---|
キャスト |
監督:後藤幸一
原作:丸山健二 出演:金田賢一 田村幸司 結城しのぶ 原田芳雄 若杉愛 津山登志子 手塚さとみ 南田洋子 垂水悟郎 草薙幸二郎 いとうめぐみ 水谷美香 渡辺真由美 長門裕之 真弓田一夫 緑八千代 トシ・ニシヤマ 高嶋秀武 石津康彦 島本宏 清川正廣 絵沢萠子 萩本欽一 |
配給 | ATG |
制作国 | 日本(1978) |
上映時間 | 103分 |
動画配信で映画を観よう! [PR]
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「正午なり」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。