座頭市御用旅 作品情報

ざとういちごようたび

師走の風が吹き抜ける荒涼たる原野を行く市は、旅姿の女がやくざに襲われているのを救ったが、女の持っていた二十両は奪われ、その上身重な躰は陣痛が激しくなっていた。寒風の荒野に盲目のにわか産姿……。それでも市の苦闘で新しい生命が誕生した。それは母親の生命とひきかえではあった。「野州・塩原の佐太郎に……」いまわのきわに残した父親の名で市の行先は決った。その市を憎悪の目で追う小さた影があった。健太は母の腹痛を見かねて人を呼びに走り、弟の出産と母の死だけを目撃したのだ。一方塩原に着いた市は、老目明しの藤兵衛に佐太郎の住居をたずねるが、佐太郎は八年も前に飛びだし、八重という妹が一人、旅籠で働いていた。市は、八重に赤ん坊を渡せば役目は果たせると思っていたが、この平和な街に札つきのやくざ、鳴神の鉄五郎が乗り込んできて、八重の借金二十両のカタに、彼女の躰を狙い始めた。兄の佐太郎が作ってくれる筈の金はまだ届かない。それにしても二十両を作るのは難儀な仕事だ。やがて、十手捕縄を狙う鉄五郎のために藤兵衛は斬られてしまう。無気味な男が座頭市だと知った鉄五郎は用心棒集めにかかった。そんな大晦日の塩原に佐太郎が帰ってきた。どこに隠れていたのか健太が佐太郎に飛びつく。渡世人仲間では腕を知られた佐太郎も、妹を救うため、恋女房の仇を討つため捨身で市をつけ狙う。除夜の鐘まであと半刻。鉄五郎の用心棒で居合の達人相良伝十郎、代官所の捕方、佐太郎が、市の命を奪おうと塩原神社の境台で待ちうける。そして座頭市は捨身で危機を切り抜ける。

「座頭市御用旅」の解説

昭和三十七年「座頭市物語」以来のシリーズ二十三本目。脚本は「渡世人 命の捨て場」の直居鉄哉。監督は「皆殺しのスキャット」の森一生。撮影は「片足のエース」の森田富士郎。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1972年1月15日
キャスト 監督森一生
原作子母沢寛
出演勝新太郎 森繁久彌 酒井修 明石勤 大谷直子 新條多久美 岡本健 三國連太郎 高橋悦史 秋山勝利 深江章吾 石橋蓮司 蟹江敬三 大川修 近江照子 正司玲児 正司敏江 笑福亭仁鶴 しめぎしがこ
配給 東宝
制作国 日本(1972)
上映時間 90分

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最終更新日:2023-02-28 11:05:41

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