P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-06-28
最初の第1シリーズの「ルパン三世」の音楽を担当した、山下毅雄が、この作品でもラテン・ロックやスキャットを駆使して、1970年代初期の夜のメカニズムを、アナクロ体験させるサウンドの機密性は、実に素晴らしい。
そして、野坂昭如の「マリリン・モンロー・ノー・リターン」も、実にクールだ。
げんだいやくざちざくらさんきょうだい
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最初の第1シリーズの「ルパン三世」の音楽を担当した、山下毅雄が、この作品でもラテン・ロックやスキャットを駆使して、1970年代初期の夜のメカニズムを、アナクロ体験させるサウンドの機密性は、実に素晴らしい。
そして、野坂昭如の「マリリン・モンロー・ノー・リターン」も、実にクールだ。
ある地方都市にやって、関西系組織のヒットマンがやって来た。
地元の暴力団は、無礼な挑発にも乗らずにいたが、ある夜、ヒットマンは死体で発見される。
誰が殺したのか騒然となるが、真相が判明しないまま、遂に抗争は、意外な事態へと--------。
監督・中島貞夫と脚本・野上龍雄が初めてコンビを組んで、東映ヤクザ映画のガイドラインを確信犯的に打ち壊した、”現代やくざシリーズ”の第5弾が、この「現代やくざ 血桜三兄弟」だ。
組織からドロップアウトした菅原文太、組織に忠誠心で従う伊吹吾郎、組織の最下端で扱き使われる渡瀬恒彦ら、東映のスター俳優を基軸に据えて、小池朝雄のハードボイルド・テイストや、松尾和子の成熟が、この作品の輪郭を形成している。
だが、それらは、荒木一郎の存在感を際立たせるオプションに他ならない。
個性派演技によって造形された、稀代の非モテ系眼鏡キャラ=通称”モグラ”。
真性チキン野郎が、暴力ドラマを制する映画的奇跡こそが、この作品のエネルギーであり、最高の魅惑的な要素となっている。