現代やくざ 血桜三兄弟 作品情報
げんだいやくざちざくらさんきょうだい
全国制連を狙う広域暴力団大阪誠心会は広島、金沢、浜松と制覇、つづいてその狙いを岐阜に向け、鉄砲玉川島譲次を送り込んだ。譲次の傍若無人の態度に岐阜広道会の邦夫と宏はいきりたつがどうしようもなかった。翌朝、誠心会幹部、大坪と辺見が岐阜に到着し、三人は八百長競馬を計画してノミ屋の宏を通じて三百万を投じた。三人は配当金として八千万を要求した。広道会三宅会長は、関東中央会の応援を求めると共に邦夫の兄で今はかたぎの武に譲次殺しを依頼した。しかし、譲次は、恋人の君枝を譲次に奪われたバーテンの信男に刺殺されてしまう。この事件は、誠心会と広道会の抗争をエスカレートさせた。誠心会との喧嘩じたくのために広道会事務所はごった返した。一方、誠心会の組員も続々岐阜に集結した。しかし、中央会の応援が期待できないことを知った三宅は、誠心会の意を呑むべく、邦夫と宏を殺すことを手土産に誠心会に向った。一方、邦夫、宏、信男の三人は襲いかかる組員の手を逃れて武にかくまわれた。「岐阜は誰にも渡さん」と立ちあがった四人は、三宅、大坪、辺見たちが合っているレッド・ムーンへ向った。惨劇の中、幹部を刺した三人は血の海にのめり込んだ。
「現代やくざ 血桜三兄弟」の解説
全国制覇を狙う大阪誠心会とそれに対抗するチンピラやくざの抗争を描く「現代やくざ」シリーズ第四作。脚本は「カポネの舎弟 やまと魂」の野上龍雄。監督は「セックスドキュメント 性倒錯の世界」の中島貞夫。撮影も同作の増田敏雄がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1971年11月19日 |
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キャスト |
監督:中島貞夫
出演:菅原文太 伊吹吾郎 渡瀬恒彦 荒木一郎 松尾和子 河津清三郎 高宮敬二 楠本健二 名和宏 藤山浩二 大前均 野口貴史 川谷拓三 大木晤郎 早乙女ゆう 女屋実和子 杉本美樹 唐沢民賢 誠直也 平沢彰 中村錦司 市川裕二 能谷武 山下義明 上岡紀美子 丸平峰子 星野美恵子 奈辺悟 志賀勝 成瀬正孝 蓑和田良太 久田雅臣 小池朝雄 |
配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1971) |
上映時間 | 96分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-28
ある地方都市にやって、関西系組織のヒットマンがやって来た。
地元の暴力団は、無礼な挑発にも乗らずにいたが、ある夜、ヒットマンは死体で発見される。
誰が殺したのか騒然となるが、真相が判明しないまま、遂に抗争は、意外な事態へと--------。
監督・中島貞夫と脚本・野上龍雄が初めてコンビを組んで、東映ヤクザ映画のガイドラインを確信犯的に打ち壊した、”現代やくざシリーズ”の第5弾が、この「現代やくざ 血桜三兄弟」だ。
組織からドロップアウトした菅原文太、組織に忠誠心で従う伊吹吾郎、組織の最下端で扱き使われる渡瀬恒彦ら、東映のスター俳優を基軸に据えて、小池朝雄のハードボイルド・テイストや、松尾和子の成熟が、この作品の輪郭を形成している。
だが、それらは、荒木一郎の存在感を際立たせるオプションに他ならない。
個性派演技によって造形された、稀代の非モテ系眼鏡キャラ=通称”モグラ”。
真性チキン野郎が、暴力ドラマを制する映画的奇跡こそが、この作品のエネルギーであり、最高の魅惑的な要素となっている。