喜劇 夜光族 作品情報

きげきやこうぞく

ここは東京、夜の銀座。ネオンの輝きに誘われ、アルコールとアバンチュールを求めて夜の紳士が行き交う中に、平木平三が、颯爽と歩いている。彼は、銀座界隈のバーのホステスの間では知る人ぞ知る“結ばせ屋”つまり、一夜妻などの紹介とは違って、一生の伴侶を誓うホステスとお客の縁結びの神なのである。結婚、入籍その他一切の事務を担当し、その謝礼が生活の糧という優雅な商売である。商売は万事好調で、悩みといえば、この誇り高き職業をポン引きと勘違いする不届き者が居ることと、自動車修理工業で働く一人娘花子が、死んだ女房そっくりに、何かと小言を言うようになってきたこと位である。一方、花子は、ホステスの縁結びに夢中になっている父親を尻目に、秘かに恋愛進行中、だが結婚資金がちょっと不足している。彼女と恋人の太郎は、資金は昼間の商売で作るという協定を結んでいたが、太郎が友人の借金を、肩がわりするハメとなりバーテンとして「セブン」で働くこととなる。そんなある日、平三が上機嫌で「セブン」を訪れ、花子の恋人とは知らずに太郎を紹介されたが、相性が悪く、不吉な初対面だった。これがケチのつきはじめ、平三は売春斡旋容疑で警察で調書を取られ、ショックで商売廃業の決心を固めて、夜警として再出発する。しかし、同じ夜の商売でも、ネオンの海を離れるのは、陸に上った河童も同然、ネオンの誘惑をふり切ることは、夜光族平三には所詮無理な話で、二日ももたずに花子に内緒で銀座にカムバックした。ところが花子も太郎と一緒に働くため、ホステスに転業、洋裁学校に行くと称して「セブン」に勤める。再起祝いを「ブーベ」で飾った平三は、かねてより惚れていた美人ママのり子獲得に本腰を入れ、攻撃を開始したが、この時すでに強力なライバルが現われた。そのライバルとは、「ブーベ」のバーテンの純平で、以前からのり子と結婚したいと思いながら仲々プロポーズする勇気がない。そんないきさつを打明けられた平三は、得意になって口説きの秘術を伝授、これが敵に塩を送った格好になった。意を決した純平、早速、教科書通りにのり子にアタック、見事ハートをキャッチ、ネオンの空に舞う大ホームランとなった。ア然とする平三、ガックリ肩を落して帰宅すると、花子が例のバーテン、太郎を連れて帰り、紹介したからたまらない。彼の気嫌の悪さは火に油をそそぐ結果となった。明けて翌日、テツ子が平三とかけ合い、平三も花子が好きならばと許してやり、花子は、太郎とともに彼の田舎に向った。残された平三の、今日も銀座のネオンの海を泳ぐ姿はハツラツとしている。

「喜劇 夜光族」の解説

夜間、海面に浮遊して、波などに打たれて青白い燐光を放つ夜光虫のように、盛り場のネオンの海を渡り歩く夜光族を主人公にした風俗喜劇。脚本は大川久男。監督は脚本も執筆している「ツンツン節だよ 全員集合!!」の渡辺祐介。撮影も同作の荒野諒一がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1971年10月1日
キャスト 監督渡辺祐介
出演三木のり平 倍賞美津子 長山藍子 殿山泰司 横井徹 森次浩司 谷村昌彦 悠木千帆 獅子てんや 瀬戸わんや 花澤徳衛 桜井浩子 根岸明美 原英美 伴淳三郎
配給 松竹
制作国 日本(1971)
上映時間 87分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「喜劇 夜光族」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:53

広告を非表示にするには