三人の女 夜の蝶 作品情報

さんにんのおんなよるのちょう

冷たい粉雪が舞う北海道の田舎町。結婚式を真近に控えた森川綾子は、婚約者西山とのデイトに向う途中、あとをつけてきたヤクザ風の若い男に襲われた。英次という東京のヤクザだった。噂はたちまち社内にひろまり、西山も綾子のもとから去っていった。この狭い田舎町ではもはや綾子の身の置きどころはなかった。そして一年後の東京・新宿の盛り場。美人歌手美奈子のいる一流クラブ「四季」に、ホステスに身を転じた綾子の姿があった。暗い過去を忘れたい。綾子のそんな願いもこの世界ではたわごとにすぎなかった。サラリーマン、土地成金、ヤクザ、それにからむ女がうごめきひしめきあっていた。誘惑も多く、綾子はすっかり自信をなくしていた。しょげかえる綾子をなぐさめたのは石塚という宝石商を営む、店の常連客だった。石塚は、機会があるごとに、サパークラブ、食事、映画へと綾子を誘うようになった。綾子はやっと倖せを取りもどすかに見えた。だがそれも束の間、綾子は自分の一生を狂わせた憎い英次を目撃してしまった。綾子は再び激しいショックに襲われた。英次は、錦糸町花井一家の幹部で、新宿の矢野組の動向をさぐりに来ていたのだ。やがて縄張り争いが始まり傷を負った英次が、「四季」のホステスあけみの手によって、綾子のアパートに運び込まれた。英次は綾子に愛情をうちあけた。綾子の眼からとめどもなく涙が流れ、二人はどちらからともなく抱きあった。英次の傷がいえた頃、花井一家と矢野組の和解が秘密裡に進められ、英次の処分は矢野組に一任という約束ができ上った。そんなこととは露知らず、二カ月後、綾子から妊娠したという朗報を受取った英次は、病院に向った。その途中矢野の配下にとりかこまれた英次は殺された。綾子はくずれ落ちる英次をまのあたりに見て、目の前が真暗になっていった。

「三人の女 夜の蝶」の解説

青江三奈の「昭和おんなブルース」の映画化。脚本は「非行少年 若者の砦」の来栖三郎と「ずべ公番長 はまぐれ数え唄」の宮下教雄。監督は「斜陽のおもかげ」の斎藤光正。撮影は「野良猫ロック 暴走集団'71」の萩原憲治がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1971年4月24日
キャスト 監督斎藤光正
出演松原智恵子 梶芽衣子 山本陽子 藤竜也 二谷英明 川地民夫 青江三奈 木浦佑三 天草四郎 長弘 木島一郎 柳瀬志郎 野村隆 庄司三郎 小早川泰子 牧まさみ 佐山俊二 アタック一郎 亀山靖博 北上忠行 熱海弘到 重盛輝江 原田千枝子 中庸子 森田蘭子
配給 ダイニチ映配
制作国 日本(1971)
上映時間 89分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:53

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