沖縄(1969) 作品情報
おきなわ
〈第一部=一坪たりともわたすまい〉昭和三十年。「アメリカーナのものを盗むのは戦果だ」これが代々の土地を奪われた三郎の生活哲学だった。三郎は仲間の清と、基地周辺を物色中、黒人とのハーフ・亘とその姉朋子を知った。米軍基地拡張に伴う平川集落の強制接収が威嚇射撃で始った。古堅らの抵抗は厳しく身体を張ってのものだった。演習が始まり、朋子の祖母カマドが戦闘機の機関銃弾を受けて死んだ。だが、米軍は何の保証も与えなかった。カマドの葬式の日、朋子は、米軍にとりいって資産を殖す山城の静止を破って、軍用地内の墓に向った。白旗ののぼりをたてて連なる葬列、それは抗議の列でもあった。それから間もなく農民たちの闘いは全沖縄の闘いへと拡がっていった。 〈第二部=怒りの島〉それから十年。三郎は父親の完道と共に米軍基地に、朋子はドル買い密貿易などに、そして亘は軍用トラックの運転手として働いていた。ある日、三郎と朋子は米軍曹長より、模擬爆弾や薬莢の換金を頼まれた。朋子はここぞとばかり買いたたき、その度胸は三郎を驚かせた。完道が足に負傷してクビになった。軍労働者の怒りは、やがてストライキ闘争へと発展、米国は威信にかけて弾圧した。三郎は米兵に拉致され、朋子は山城の企みで逮捕され亘も解雇された。山城の息子、朝憲は、亘が軍用トラックにひかれて死ぬと、アメリカ民主主義のウソを、軍人法廷で糾弾、父とも訣別した。動揺する三郎たちに、反米破壊活動で独房入りした知念から、団結の叫びがとどいた。翌朝、沖縄基地にストライキが決行された。
「沖縄(1969)」の解説
「ドレイ工場」の武田敦が脚本・監督した長編劇映画。第一部=一坪たりともわたすまい、第二部=怒りの島、よりなり共通のテーマは“民族の自覚に燃えた怒り”。撮影は「砂の女」の瀬川浩が担当した。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1970年5月26日 |
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キャスト |
監督:武田敦
出演:佐々木愛 地井武男 加藤嘉 戸浦六宏 佐々木すみ江 高橋俊行 富山真沙子 岩崎信忠 トニー和田 中村翫右衛門 石津康彦 杉本孝次 渡辺晃三 米本善子 熊野隆司 田村保 花澤徳衛 鈴木瑞穂 松山照夫 草薙幸二郎 庄司永建 吉田義夫 陶隆 大友純 本郷淳 寄山弘 西島悌四郎 鶴丸睦彦 福原秀雄 井上和行 前田吟 大月ウルフ 飯田蝶子 鈴木光枝 いまむらいずみ 辻伊万里 杉山とく子 志村幸江 戸田春子 |
制作国 | 日本(1969) |
上映時間 | 195分 |
公式サイト | https://www.kyodo-eiga.co.jp/v04-okinawa.html |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-11-11
敗戦後もどっこい生きて居る庶民を若者たちの姿を力強く映し出した本篇は製作に名匠監督山本薩夫の名前が。新国立美術館「話しているのは誰 芸術と文學」展には沖縄出身のartist山城知佳子のショートフィルムの映像作品〈チンビン・ウエスタン家族の表象〉が出品されて居て現代の沖縄開発,米軍基地の存在,琉球王朝時の語り部を家族劇のストーリーに構成していて反響を呼んだ~