富士山頂(1970) 作品情報
ふじさんちょう
三七七四メートルの富士山頂。ここにレーダーを設置できれば、南方八百キロメートルに近づいた台風をキャッチできる。気象庁側器課長の葛木は台風の被害を少しでも減らすべく、富士山レーダーとりつけに情熱を燃していた。大蔵省へ歩を運ぶこと三年、葛木の夢は実を結ぶこととなった。三菱電機技術部員、梅原もまた技術者の立場から富士山レーダーに情熱をかけ、大成建設の伊石とともに山頂の気圧や地盤について調査していた。建設予算二億四千万円、三菱電機、大成建設による工事が始った。霧の晴れ間を縫って朝吉の率いる荷馬車隊が登って行く。七合八勺までくると荷物は馬から強力にかわって運ばれる。そんな中で辰吉はブルドーザーを運転した。これは馬にのみ頼ってきた朝吉親分を驚かせた。零下三十度、風速は常に二十メートル。酷寒、低気圧の中で梅原らの難作業は続いた。直径九メートル、重量五百キロのドームを基礎台にはめこむ作業は技術陣を緊張させた。人々が固唾をのんで見守る中を加田が操縦するヘリコプターがゆっくり下降、ドームは土台と完全に結合した。壮挙は終った。大自然と闘って据えつけられた気象用レーダーは今、台風の砦となって活動している。
「富士山頂(1970)」の解説
新田次郎の同名小説(文芸春秋社刊)を「風林火山」の国弘威雄が脚色し、「闇を裂く一発」の村野鐵太郎がメガホンをとった人生もの。撮影は「栄光への5000キロ」の金宇満司が担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1970年2月28日 |
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キャスト |
監督:村野鐵太郎
原作:新田次郎 出演:石原裕次郎 山崎努 渡哲也 芦田伸介 佐藤允 中谷一郎 本郷淳 市原悦子 星由里子 宇野重吉 山内明 東野英治郎 金井進二 古谷一行 露口茂 清水将夫 神山繁 信欣三 玉川伊佐男 加藤武 小瀬格 田中邦衛 武藤章生 浜田光夫 勝新太郎 |
配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1970) |
上映時間 | 125分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-02-20
昔、NHKで「プロジェクトX」という人気番組があったが、その映画版のごとく、ある目的に向って不屈の男たちが、自分たちの夢と使命感で職務を果たそうとする姿は、やはり感動と尊敬の念を呼ぶものである。
この作品では、大自然の猛威にさらされながら危険を克服し、富士山頂に気象レーダーを設置するというものだが、高山病や天候の急変、資材運搬の困難さ、乱気流、大型台風の接近と、工事を疎外する状況が次々と襲ってきて、工事は困難を極める。
しかし、気象庁からは納期厳守を言い渡され、担当者たちは苦境に陥る。
それでもあきらめず事を成そうとする不屈の精神には頭が下がる。
36歳の石原裕次郎をはじめ、勝新太郎、渡哲也、芦田伸介、宇野重吉、山崎努など豪華キャストによる感動の一作だ。