神様のくれた赤ん坊 感想・レビュー 3件

かみさまのくれたあかんぼう

総合評価4.5点、「神様のくれた赤ん坊」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-13

まず、この映画はロードムービーの基本である主人公が、旅に出る理由が、うまくできている。
しかも、父親候補は、市長選の立候補者、結婚式真っ最中の青年実業家、元プロ野球選手、ヤクザの組長の4人。

地域も尾道、別府、長崎、北九州と振り分けられている。これはどう転んでも楽しくなるはずだ。

この映画は、「反マジメ精神」を貫いた前田陽一監督のまさに代表作とも言える作品だ。
父親探しの縦糸に、小夜子が母親のルーツを探す話を絡ませたり、前半で小夜子がエキストラで練習するセリフが、ラストで大きな意味を持つなど、伏線の張り方も巧みで、脚本もよく練り上げられている。

一見、異質に見える主役の二人も、渡瀬恒彦が持つ軽みを引き出すことで、似合いのカップルになっていると思う。

これだけ軽やかに"人情喜劇"を作れた監督なので、生前、もっとたくさんの作品を撮って欲しかったと思う。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-13

"ロードムービー"とは、主人公が車や列車などで移動する中で、その過程において様々な人々と触れ合うことにより、人間的に成長していくという映画だが、この前田陽一監督の「神様がくれた赤ん坊」は、まさにこの定義にぴったりな、"ロードムービー"のお手本のような作品だ。

主人公は、エキストラのアルバイトで生活費を稼いでいる同棲中の晋作(渡瀬恒彦)と小夜子(桃井かおり)。
ある日、晋作の子供かもしれないという男の子を押しつけられたことから、この物語は展開していく。

子供の母親は晋作の昔の彼女で、男と逃げてしまったらしい。
この蒸発した母親が「父親の可能性がある男」として、晋作を含む5人の名前をメモに残していたのだ。

「身に覚えがない」晋作は、本物の父親を探しに、子連れで旅に出ることになる。そして、その旅に、小夜子も同行することになって-------。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-15

しようがなく子供を託されて、その親捜しをして行く、そんな映画が「神様のくれた赤ん坊」だ。

尋ねて行くうちに、いろんな人生が見えてくる。
そこでの人間の面白さみたいなものが、この映画の良さだろう。

そういう事をやって行くうちに、結局、子供というのは、血の繋がりではない、という結論になって行くのも納得出来る。

一種の人情喜劇のスタイルだが、それをべとつかない形の辛口のタッチで描いたのは、前田陽一監督の手腕だろう。

最終更新日:2024-07-23 16:00:02

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