悪魔が来りて笛を吹く(1979) 作品情報

あくまがきたりてふえをふく

昭和22年、銀座の宝石店で、店員数名を毒殺し、宝石を盗みとる凶悪な殺人事件が起きた。椿英輔子爵は、この犯人と酷似していたため、容疑者の一人として取り調べを受けたが関西に旅行中だったというアリバイが立証され、釈放となった。だが、英輔は娘の美禰子に遺書を残して失踪し、2カ月後、死体となって発見された。ところが、英輔の妻、[火禾]子や周囲の人人が自殺したはずの英輔らしき人物を目撃するのだった。脅えた[火禾]子は彼の生存を占う「砂占い」の儀式を行なった。金田一耕助も美禰子や等々力警部の依頼で立会った。出席者は美禰子、[火禾]子をはじめ、[火禾]子の兄の新宮利彦と妻の華子、伯父玉虫伯爵、その妾菊江、書生の三島東太郎、その妹で女中のお種であった。占いのあった夜、玉虫が殺された。調査を進める金田一は三島は英輔と一緒に須磨に行っていたということをつきとめた。事件のカギがそこにあると直感した金田一は須磨に向かった。そこで金田一は意外な新事実を聞いた。それは、三島は[火禾]子と新宮の兄妹の間に生まれた子であり、お種は新宮が別の女に生ませた子であるということだ。その頃、椿邸で新たな事件が発生した。新宮が殺されたのだ。途方に暮れる等々力警部の前に金田一がやって来た。彼にはもう犯人が判っていた。金田一の迷解きによると、別々に育った三島とお種は父親が同じということも知らずに愛し合った。やがて、兄妹ということを知り、結ばれない仲と判った二人は、椿家の血を憎み復讐を誓ったのである。この血こそ、英輔が恥じて自殺した原因であり、そしてまた、美禰子にあてた遺書の中で、この血に敗けないようにと、彼女に近親相姦を描いたルソーの「ウィルヘルム・マイステルの修業時代」を読むことを勧めたのである。まさにそのとき、三島とお種は鎌倉の別荘で静養中の[火禾]子を殺そうとしていた。鎌倉に向かう金田一と等々力警部たち。兄妹から初めて聞かされた恐ろしい真実と悲しい愛の物語に、[火禾]子は自分自身を呪い、体内に流れる血を憎み、窓から飛び降りるのだった。翌朝、浜辺に死んでる二人の兄妹を静かに見つめる金田一の姿があった……。

「悪魔が来りて笛を吹く(1979)」の解説

元子爵、椿家の乱れた人間関係によって生まれた兄妹の起こす連続殺人事件を解決する金田一耕肋の活躍を描く。角川春樹事務所の企画で復活した金田一耕助は東宝で石坂浩二の主演で四本製作されたが、今回は、同じ角川春樹事務所の企画だが、西田敏行の主演で東映で製作された。脚本は「柳生一族の陰謀」の野上龍雄、監督はにっかつで「女の意地」を監督した後「太陽にほえろ!」「青春ド真中!」などのテレビ・シリーズを手がけている斎藤光正、撮影もテレビで活躍している伊佐山巌がそれぞれ担当している。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1979年1月20日
キャスト 監督斎藤光正
原作横溝正史
出演西田敏行 夏木勲 仲谷昇 鰐淵晴子 斉藤とも子 石浜朗 村松英子 小沢栄太郎 池波志乃 原知佐子 山本麟一 宮内淳 二木てるみ 梅宮辰夫 浜木綿子 北林早苗 中村玉緒 加藤嘉 京唄子 村田知栄子 藤巻潤 三谷昇 熱田一久 住吉道博 亀山達也 清水照夫 佐川二郎 山浦栄 小田登枝恵 中田博久 関谷ますみ 木村修 幸英二 田中春男 勝野賢三 金子信雄 中村雅俊 秋野太作 横溝正史 角川春樹
配給 東映
制作国 日本(1979)
上映時間 136分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-04-13

本篇監督の斎藤光正氏が放つ異色伝奇mysteryが松本清張原作の「異変街道」だった。オールスターcastの中でも森口瑶子等女優陣も美しく🧕

最終更新日:2022-07-30 02:00:12

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