サード 作品情報

さーど

関東朝日少年院は三方を沼で囲まれている。鉄格子の中で、少年達は朝早くから点呼、掃除、食事、探索等の日課を黙々とこなす。元高校野球の三塁手として活躍した通称サードもその少年達の一人であった。しかし、数日前、上級生のアキラがサードの優等生ぶりが気に入らずケンカをしかけたため、二人は単独室に入れられていた。ある日、サードの母が面会にやってくる。退院後の暮しをあれこれ心配する母に、サードは相変らず冷淡な態度を示すのだった。少年達が待ちこがれる社会福祉団体SBCがやってくる。三ヵ月に一度やって来るこの日だけが、若い女性に接する事ができるのである。SBCとのソフトボールの試合中、一人の少年が院に送られてくる。サードの仕事仲間で数学IIBだけが取得の、IIBと呼ばれている少年である。ある日、農場で一人の少年が逃走した。誰とも口をきかなかった、緘黙と呼ばれる少年である。その騒ぎにまぎれて院の生活に馴じめないIIBも逃走を図るが、やがて連れ戻される。サードはそんなIIBを殴り倒す。走っていくなら何処までも走れと、無言で語るサードの表情には、確固とした決意が読みとれた。サードの頭の中に在るのは、ここへ護送される途中に垣間見た、祭りの町を走り抜ける夢であった。彼が「九月の町」と名付けたその町は、彼が少年から大人へと成長する時に、彷徨しながら通りすぎる青春であった。

「サード」の解説

一人の少年院生が、少年と大人の狭間を彷徨しながらも、成熟に向って全力で走り抜ける姿を描く、軒上泊原作『九月の町』の映画化。脚本は「ボクサー」の寺山修司、監督は「日本妖怪伝 サトリ」の東陽一、撮影は川上皓市がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1978年3月25日
キャスト 監督東陽一
原作軒上泊
出演永島敏行 吉田次昭 森下愛子 志方亜紀子 島倉千代子 内藤武敏 峰岸徹 片桐夕子 西塚肇 根本豊 池田史比古 佐藤俊介 鋤柄泰樹 水岡彰宏 若松武 飯塚真人 宇土幸一 渋谷茂 尾上一久 藤本新吾 岡本弘樹 穂高稔 市原清彦 今村昭信 杉浦賢次 清川正廣 津川泉 小林悦子 大室温子 秋川ゆか 関口文子 角間進 北原美智子 品川博
配給 ATG
制作国 日本(1978)
上映時間 103分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-11-05

今朝のNHKラジオ深夜便日本の歌・心の歌はNHK紅白歌合戦出場曲で島倉千代子の特集,そういえば何と青春映画の本篇にも出演していたんだ。主演のスポーツ刈りの永島敏行は池袋の名画座でguest出演した時に観客とツーショットも大サービスされたのを想い出す。島倉ポップス歌謡愛のさざなみも,東海林太郎カヴァー曲隅田川も,人生いろいろや鳳仙花,哀しみの宿も真夜中に流れ,嘗て新宿歌舞伎町のコマ劇場で両親がショーを観て来たのを想い浮かべて

最終更新日:2024-11-15 16:00:02

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