男はつらいよ 寅次郎純情詩集 作品情報
おとこはつらいよとらじろうじゅんじょうししゅう
暖かな初秋の陽差しをあびて、今日も帝釈天の参道は多くの参拝客で賑っている。その門前で、柴又名物のだんごや「とらや」を経営している寅のおいちゃん夫婦、最愛の妹さくら夫婦、そして隣りの印刷工場の社長らも平穏無事な日々を過ごしていた。今日は、さくら夫婦の一人息子満男を先生が家庭訪問する日であった。「とらや」の連中は朝からそわそわしている。というのは、担任の先生が産休のため、代わりに、美しい雅子先生がやって来るからである。「こんな時に寅が帰って来たら大変なことになる」と一同が噂している最中、雅子先生の後から、寅が平和な顔をしてブラリと帰ってきた。あきれる皆をよそに寅は持前の饒舌で雅子先生の相手をし、家庭訪問をメチャクチャにしてしまった。さくら夫婦はカンカンに怒ってしまった。寅に反省を求めようと、皆がまちかまえている所へ、バツの悪そうに寅が帰って来た。それからは、例の通りの大喧嘩。そして、寅は再び旅に出てしまった。数日後、寅は紅葉美しき信濃路を旅していた。寅はここで昔世話した旅役者の一行に偶然、出会った。その晩、寅はドンチャン騒ぎをし、翌朝になって旅館に無銭飲食がバレて、警察のやっかいになってしまった。知らせを受けたさくらは寅を引きとりに来た。さすがの寅も後悔して、ションボリ柴又へ帰ってきたのである。柴又に帰った寅は、また雅子先生について話し始めた。「あの娘に教養があって、気品溢れる未亡人の母親でもいれば別だけど」と。そんな折も折、雅子先生が綾という美しい、しかも未亡人の母親をつれて、「とらや」にやって来た。寅の勘は的中し、とらやの連中はまたまた絶望の境地に追いこまれた。綾は由緒ある家柄の未亡人だが、昔から病気がちで、ほとんど家にとじこもっていた。綾と寅は昔からの顔なじみであった。そんなある日、寅は夕食に招待された。綾に捧げる寅の慕情はつのる一方であった。しかし綾の病気はすでに、かなり悪化していた。ある日、綾は眠るようにしてこの世を去った。明けて昭和五十二年のお正月。帝釈天の参道は、初詣客でいっぱい。とらやの連中はてんてこ舞いの忙しさ。そんな頃、寅は雪に覆われた山々を背にした、田舎の小学校に転任した雅子先生を訪ねていた。
「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」の解説
“男はつらいよ”シリーズ第十八作目で、おなじみのフーテンの寅が捲き起こす人情喜劇。今回は、学校の若い先生とその母を相手に、物語がくりひろげられる。脚本は「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の朝間義隆と山田洋次の共同、監督は「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の山田洋次、撮影もやはり同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1976年12月25日 |
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キャスト |
監督:山田洋次
原作:山田洋次 出演:渥美清 倍賞千恵子 檀ふみ 京マチ子 下絛正巳 三崎千恵子 前田吟 中村はやと 太宰久雄 佐藤蛾次郎 笠智衆 吉田義夫 岡本茉利 谷村昌彦 谷よしの 志馬琢哉 大杉侃二郎 浦辺粂子 赤塚真人 梅津栄 城戸卓 笠井一彦 羽生昭彦 長谷川英敏 木村賢治 統一劇場 永六輔 |
配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1976) |
上映時間 | 104分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-08-06
団子屋の奥の卓袱台でマドンナ親子を囲んでする食事の前の御祈りのシーンの掛け合いも寅さんに係ると落語的な世界観で🏵