P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-09-19
NHKCultureラジオゴシック小説の魅惑でも紹介された岸田森の吸血鬼ものだが,先のレビューにも在るような映画の記憶装置
ちをすうばら
総合評価4.5点、「血を吸う薔薇」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
NHKCultureラジオゴシック小説の魅惑でも紹介された岸田森の吸血鬼ものだが,先のレビューにも在るような映画の記憶装置
この映画「血を吸う薔薇」は、当時、東宝映画の名物となっていた、山本廸夫監督のドラキュラもの。
もちろん主演は岸田森。しかし、この映画は、ハマープロのドラキュラというより、ヴァディム調でちょっと凝り過ぎの感がある。
八ケ岳山麓の女子学園から、健全そのものの青年教師(黒沢年男)がやって来た。
初日から、学長の邸に泊まったこの教師の身辺に、不思議な現象がまとまりついてきた。
死んだはずの学長夫人が現われたり、胸をはだけた女が現れたりと、このあたりは少しクルーゾーの「悪魔のような女」を思わせる。
そして彼は、この地方で二百年も前に転びバテレンとなった白人が、今や吸血鬼となっているのだが、その吸血鬼と対決することになる。
田舎の女子学園が舞台というのは、アイディアもので、しかも女の子たちだけの世界というのだから、「尼僧ヨアンナ」のような無気味さが漂っている。