P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-08-07
ヒロシマに原爆が落とされた日に因んで一部紹介されたアニメーション[夏服の少女たち]も,スタジオジブリの作画キャラであの日の朝のマグネシウムの閃光が描かれ
ほたるのはか
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ヒロシマに原爆が落とされた日に因んで一部紹介されたアニメーション[夏服の少女たち]も,スタジオジブリの作画キャラであの日の朝のマグネシウムの閃光が描かれ
素朴で懐かしいような風景と子供達。
美しい絵、美しいストーリー
日本にもこのような、詩のようなファンタジー映画があるのだと驚いた作品。
火垂るの墓を観て、とても感動した。私は昔からある敬愛している詩人がいる。八王子市にその方のお墓があり、ずっと行ってたことがある。その詩人のイベントに野坂昭如さんが来られた。それ以来、野坂昭如さんの大ファンになった。それだけにこの映画を観ると、様々な記憶が甦る。これはパーフェクトな作品だと思った。何度も観たくなる映画だ。
そし根底には高畑勲自身が空襲被害を眼前に目撃した体験者で在った事が本篇のモチーフで在る。キャラクターデザインの作画家は次世代の戦争を知らない世代だったから野坂昭如の原作の描写力から当時の記録と記憶を探ったと云う。高畑勲監督版ネオ・レアリズモのアニメーション
高畑勲監督追悼番組として放映された本編を視聴した。冒頭の駅舎で倒れている少年達の一人が主人公の清太。物語は死者のモノローグ、回想で始まる。空襲の連続で疲弊して行く当時の状態を熱気で「もう皮膚がどんどん乾いて仕舞って…」と語る生前の監督のインタビュー等が番組の前で紹介される。又、アニメの描写に付いては「例えば実際に風が吹けば其れを作品に取り入れます」と写実の迫真性についても。確かに空襲で焼けた街に黒い灰が飛んで来る熱風の凄さは初めて戦争映画で観た…。そしてラストシーンは溝口健二監督の名篇〈雨月物語〉や小津安二郎監督作品を連想させもする出来映え何だ!黒澤明監督が本編に惚れ込んだと言うのもよく判る。デシーカ監督作品〈ひまわり〉とかチャップリンのサイレント映画等を含む色んな映画的記憶に充ちたアニメーション。